mRNAワクチン(ファイザー社もしくはモデルナ社)の被接種者血清のデルタ株に対する中和活性(注1)は、従来株に対する活性よりも低かった。 従来株の感染から回復し、長期間経過したハムスターは、デルタ株の再感染に対しても従来株に対してと同等の抵抗性を示すことが明らかとなった。また、このハムスターにデルタ株を再感染させたところ、同個体から別の個体へのウイルス飛沫伝播は認められなかった。 従来株の感染によって誘導された免疫は、長期にわたり記憶され、変異株に対する感染防御に寄与することが明らかとなった。 発表概要 東京大学医科学研究所ウイルス感染部門の河岡義裕特任教授らの研究グループは、新型コロナウイルスの従来株に感染した際に誘導される免疫が長期間にわたって維持されること、そしてこの維持された免疫はデルタ株による再感染に対してしても有効であり、かつ個体間での飛沫感染を抑制することを明らかにしました。