新ウナコーワクール(興和)、新ビオフェルミンS(ビオフェルミン製薬)、大正漢方胃腸薬(大正製薬)、イブA錠(エスエス製薬)…。 どこの家庭にもありそうな常備薬が、アジアからの観光客に大人気だ。実は、家電量販店やドラッグストアでの“爆買い”の先駆けは、台湾からの旅行客。彼らはなぜ、日本の家庭薬を爆買いするようになったのか。 これまで10冊以上の日本の医薬品を解説するガイド書を台湾で出版してきた「日本薬粧研究家」の鄭世彬は言う。 「私が子供の頃、家には当たり前のように日本の家庭薬があった。台湾では1979年に海外旅行が解禁され、多くの台湾人は迷わず日本を旅行先に選んだ。90年代に祖父が初めて日本旅行に行ったとき、山のようにお土産を持って帰ってきたが、『太田胃散』や『龍角散』を買うのを忘れなかった。台湾人は昔から日本の薬をよく知っている。爆買いはいまに始まったことではない」 中国や台湾で売られて