日韓関係をめぐる評論活動が活発になっている。摩擦が端緒とはいえ、近隣外交の論議が高まるのは結構なことだ。 ただ、最近顕著になっている論じ方には憂慮すべき点が少なくない。とりわけ、「嫌韓」と呼ばれる韓国への反感をあおるような一部メディアの風潮は、いかがなものか。 日本と朝鮮半島との交わりには長く深い歴史がある。文明の伝播(でんぱ)や交易などで双方が利を得た時があれば、日本が植民地支配をした過去もあった。 争いは双方の国際的な立場を弱め、協調すれば共栄の可能性が高まるのは必然の理である。 ところが一部の論評では、この隣国を感情的に遠ざけるような言葉が多用されている。 たとえば、「憤激と裏切りの朝鮮半島/日韓断絶」(文芸春秋10月号)、「202X年韓国消滅へのカウントダウン」(WiLL4月号別冊)など。 小学館が発行する週刊ポストは今月、「厄介な隣人にサヨウナラ/韓国なんて要らない」と題した特集