最近問題となっているWebサイトの改ざんは,サイトの改ざん自体が目的ではなく,改ざんされたコードを参照した一般ユーザーを危険なサイトに誘導して,マルウエアを導入することを最終的な目的としている。この目的のため,HTMLのIFRAME要素やSCRIPT要素が利用される場合が多い。 先に説明したように,SQLインジェクションのぜい弱性を利用してデータベースの内容を,これら要素を使った内容に書き換えることが可能な場合がある。それでも,その内容をそのまま表示するかどうかはサイトの作りによって異なる。 一般的にデータベース中の「<」などの特殊記号をそのまま表示するとクロスサイト・スクリプティングのぜい弱性(XSS)の原因となるので,表示の際にこれらの文字をエスケープすることが行われる(図1)。 現実には多くのサイトにおいて,SQLインジェクションによって挿入されたIFRAME要素やSCRIPT要素が
