「失敗の歴史」ともいえる人類の歴史の中で、悲惨な事件・事故は数知れない。それが人間の欲望や過失に起因するものであるなら、我々は過去を振り返り、二度と過ちを起こさぬよう学ばなければならない。 ナショナル ジオグラフィックの書籍『失敗だらけの人類史 英雄たちの残念な決断』(ステファン・ウェイア著)でも、そのような歴史的な事件・事故は多く取り上げられている。1912年に起きたタイタニック号の沈没事故もその一つだ。あまりにも有名な出来事ではあるが、人類が犯してきた「失敗」の代表格として、ここで改めて紹介しよう。タイタニック号を沈没へと導いた異常な自尊心と傲慢は、繰り返し語られてしかるべきだろう。 下層デッキへの浸水を許した設計ミスは、それほど馬鹿げた過ちではない。航路の選択にしてもそうだ。あの宿命的な夜に1500人あまりもの命を奪ったのは、事故の可能性を無視して十分な救命ボートの装備を怠った、タイ
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