タグ

ブックマーク / www.axis-cafe.net (7)

  • GPSとDNA - おおやにき

    宮城県が「性犯罪で有罪判決を受け服役した出所者と家族や交際相手への暴力の加害者について、県内在住者を対象に全地球測位システム(GPS)装置を携帯させる条例制定の検討を始め、試案を明らかにした」(asahi.com)という件。うんいや正直運用方針次第だなあと思うのだが現時点では「女性と子どもへの暴力対策を話し合う県の有識者懇談会で村井知事が提案」(同)という段階らしく、県のウェブサイトでも私の知りたい部分は確認できない。まあでも、このあたりが注意すべき論点だろう。 そもそも性犯罪者などの再犯率が高く防犯対策を強化する必要があるという前提に立てば(1)、その手法としては (a) 警察などの機関が・非公開の情報をもとに訪問監視や教育などの手段をとるか、(b) 事後の責任追及を容易にする手段を導入することによって前歴者が自発的に犯罪から遠ざかるよう誘導するか、(c) 被害者になり得る側に情報提供す

  • 暴力装置 - おおやにき

    いやいや何を言っているんだ自衛隊は国家の暴力装置に決まってるだろう(参照:「仙谷氏「自衛隊は暴力装置」 参院予算委で発言、撤回」(asahi.com))。国家が(ほぼ)独占的に保有する暴力こそがその強制力の保証だというのは政治学にせよ法哲学にせよ基中の基であり、その中心をなすのが「外向きの暴力」としての軍隊と「内向きの暴力」としての警察である。で、日では主として歴史的経緯によりこの両者が相当明確に区別され、かつ現実的にもあまり仲が良かったり悪かったりという話があるわけだが(戦前ならゴーストップ事件が典型ね)、フランスやイタリアにある国家憲兵隊制度や、発展途上国に多い警察軍制度に示されているように暴力としての質に違いがあるわけではなく向きを変えれば同じものであると、そう整理されることになる。 その上で、まあ法哲学的にはゆえに国家は質的に悪であるとする立場と、しかしこの暴力抜きには社

  • 続・岡崎市立図書館事件(4・完) - おおやにき

    ところでシンポジウムについては朝日新聞の記者の方が取材されていたようで、以下のように記事になっている(「岡崎図書館問題で討論」asahi.com)。 パネリストの名古屋大学大学院法学研究科の大屋雄裕准教授は「技術者は図書館システムに欠陥があることも想定すべきで、逮捕された利用者と図書館の間で事前に協議があれば事件にならなかった」と指摘。 まずベストプラクティスが実践できなかったことを「問題」と表記する。 この時点で、それが日常用語としての"問題"とは違うことが含意されているし、まして刑事・民事上の責任を問える水準の話とはまったく異なることは明らかにしている(私がカギ括弧とかを使うときは当然に意図的なので、たとえば「誤認逮捕」というのは誤認逮捕ではない。誤認逮捕が発生すれば警察なり検察なりが謝罪すべきということになろうが、誤認逮捕だと当事者とか社会の一部が思うとしても法的には不適切と言えな

    cubed-l
    cubed-l 2010/10/07
  • 続・岡崎市立図書館事件(3) - おおやにき

    でまあその。企画者の側からは当日のプレゼンテーションを公開してもらえないかという依頼も受けたのですが、いやソースに基づく議論という研究者であれば基中の基と言ってよいふるまいができないのか故意にしないのか、とにかくそういう人々がこれだけ群れているところに・口頭で説明/補足することが前提の資料を出すとか、さすがに私でもそういう餌の与え方はできないねえ。教祖さまが自分の無謬性を守るために好き勝手利用しはじめるに決まってるんじゃないかな。 しかしまあ私はいらんこと親切なので、当日来ていた方なら個々の話題がどのように全体の枠組に対応しているのかがわかるように追加の説明をする。ちょっと参加者の興味を引くために構造が見えにくくなったところはあるかなあと思ってもいるのでね。なお刑法理論の観点から「そんなに簡単に書いていいのか」と思う人はいるでしょうが、そこは割り切ってわかりやすさを優先しました。さて。

    cubed-l
    cubed-l 2010/10/06
  • 続・岡崎市立図書館事件(1) - おおやにき

    要約:高木浩光氏は、twitterによる・第三者の・不正確な要約をもとに、他人を罵倒してもよいと考えている人のようです。 経緯: 大屋、討論会でパネルとして発言。 参加者の中に、内容を要約してtwitterで発言していた人がいる。ただし欠けている・落ちている部分が必然的にあったほか、不正確な部分もあったと指摘されている。 たとえば以下の展開。

  • 岡崎市中央図書館事件 - おおやにき

    呼ばれたので行ってきました。パネル討論会「「岡崎市中央図書館ウェブサーバ事件」から情報化社会を考える」(主催:ESD21(持続可能なモノづくり・人づくり支援協会))。会場は中京大学の八事キャンパスなので、あまり普段と代わり映えがしないな。パネリストは4名で、他はまあ図書館系と情報系の方だったので、法律系としての機能を期待されているのかなあと思ってみたり。いや実定法学者でもないので多分に不安が残るところなのですが。 でまあ述べた内容ですが、この件で図書館側・ベンダー側・警察側に問題があったというのは多くの人が言っていることだし、まあベンダーの問題点って否定できないよねえと素人ながらに思うのでそのあたりは他に任せて、逮捕されてしまった開発者の行動にも「問題」(ベストプラクティスではないという意味でのね)はなかったかという点と、警察・図書館の行動にも「問題」はあったがその背景にある事情というもの

    cubed-l
    cubed-l 2010/10/04
    今回の司法関係の動きが相場というならやはり問題として取り上げるのは正しいわね
  • Winny事件二審判決 - おおやにき

    だいぶ遅くなったがWinny事件二審判決について。すでに報道されている通り、一審の有罪判決を覆して無罪、検察はそれを不服として上告する方向になったと、そういうことであった。問題は一審と二審のあいだで何が代わったかと言うことだと思うのだが、報道から見る限り実はあまり変わってないなというのが私の印象である。 もともとこの事件の論点は、法律的に見る限り概括的故意による幇助犯の成立を認めるかどうかということであった。つまり、「いつか・誰かが犯罪に利用するだろう」という予期と・「それでも構わない」という認容があることを刑事責任の基礎にしてよいかという問題である。というのは、幇助の対象である他人の著作物のアップロード行為が違法であることには疑いの余地がなく、それがそもそもよろしくないという(ヨーロッパにおける海賊党のような)主張は、件で有罪判決を出すことがソフトウェア開発を萎縮させるかどうかといった

  • 1