twitterを試してから、ちょっと思ったことを一言だけ書くという楽しみを覚えたので、ここでも、さっそく(←twitterいらないじゃん^^;)。 Web2.0 Expoで、インタビュアーに「朝、起きて一番最初にすることは?」と聞かれたGoogleのCEO、Eric Schmidt の答えがこれ。 「そりゃメールのチェックに決まってるじゃないの。みんな、そうだよね…」 ね、みんなそうなんだから。顔を洗ってからじゃだめなんだよ。→妻へ。
昨日手に入れてから、twitterで最初の体験を実況中継していたApple TV。この手のデバイスの「おもてなし」を評価するには、一番最初の印象がとても大切なので、忘れないうちに箇条書きにしておく。 【良い点】 ・セットアップが簡単 - マニュアルを見ずに10分ぐらいでセットアップできた。 ・小さくて静か - ファンがないので静かだし、外付けACアダプターがないのが良い。 ・シンプルで使いやすいUI - さすがアップル。リモコンも最高。 ・多国語対応 - 米国で買ったモデルなのに、日本語フォントもちゃんと入っている。 ・美しいフォント - このあたりにこだわるところがアップル。とても大切。 ・上映中の映画の宣伝が見れる - 以外にもこれが結構楽しいし、役に立つ。 ・iTune上の音楽がテレビのスピーカーで聴ける - これがなかなか良い。 ・難しいことはiTunesからすればよい - タイト
何かの「ユーザー・インターフェイス」を決める時に大切なことは、自分なりのはっきりとした「デザイン・ポリシー」を持って、誰が何と言おうと最後までそれをしっかりと押し通すこと。そういう「柱」をしっかりと持たないで作ったものは、往々にして「妥協の産物」になってしまう。 私が常に心がけていること(つまり、私のデザイン・ポリシー)は、「ユーザー・シナリオを80:20ルールで切り分け、常に80の方(つまり多くの人が使うだろう機能)を最優先にした設計にし、20の方(あった方が良いかもしれない機能、一部の人が必要とするかもしれない機能)は思い切って犠牲にする」こと。 典型的な良い例が、Youtubeを見るためのサービス、Rimo と oreseg。 機能的には、カテゴリー分けはしてくれているし、サムネールから自分で見たいものを選べるし、oresegの方が上である。しかし、「ただだらしなく面白そうなビデオを
今朝、スポーツジムで泳いでいる時に水の中にブルーのグラデーションがかかっているのを見ながら思ったことは、「これってユーザーインターフェイスに応用できないかな?」である。そこで会社についてさっそく作ったプロトタイプがこれ(インタラクティブなデモもある―要Java Runtime)。 イノベーションを起こそうとするときに最も大切なことは、会議や書類作りではなく、とにかく手を動かしてプロトタイプなどの形に落とし込むこと。こうやって実際に触って感触を味わえる形にするとしないとでは、コミュニケーションの効率が全然違う。 好都合にも、CNetにトム・ケリーのインタビュー記事が載っていたので引用させていただく。 それから、とにかくプロトタイプを作って形に落とし込むこと。新たなことを試みる実験精神と、新しいものに対して興味を持つ子供のような好奇心も必要です。固定観念や先入観にとらわれては真のイノベーション
IDEOのTom Kellyが彼の著書で何度も繰り返すのが、ユーザーを観察することの重要さ。 先のエントリーとも重複するが、日本の家電は、何かというと「新技術」にばかり着目して、「AIエアコン」、「カオス洗浄」などとテクノロジーを全面に出した製品を毎年の様に市場に投入しているが、もういいかげんにして欲しい。 そんな新技術や新機能の導入よりも、「今あるテクノロジーの恩恵をどうやって普通の人たちが満喫できるようにすべきか」を考えるべき時代が来ている。 特にAV業界が最初に解決すべき課題は、毎年のように増え続けるデバイス同士を「どうやって繋ぐか」と、「どうやって操作するか」である。 「どうやって繋ぐか」に関しては、IP化と無線技術(たぶんBluetoothとUWB)の進歩が解決してくれそうだが、「どうやって操作するか」に関してはまだまだやることがたくさんある。 写真は私の家のファミリールームにお
ここのところ、YouTubeのお世話になることが多い。日本のマンションに置いてあるSharpのガリレオに予約録画しておいた日本の番組をネット経由で視聴することが出来るとは言え、テレビガイドとにらめっこをしながら「どの番組を予約しようか」と時間を費やすほどのテレビ好きではない。そもそも、あらかじめ見たい番組を知っているケースはごくまれで、知り合いやブログを通して「こんなおもしろい番組をやっていた」という情報を『放送後』に得る場合がほとんどである。 そんな時に役に立つのがYouTube。今週だけでも、「ハルヒの最終回」が放映されたことを人気ブックマークで、「サラリーマンNEO」というNHKらしからぬ面白い番組が放映されていることを知り合いのブログで、「プリンス小林が再びホットドックの早食いチャンピオンになったこと」をこのブログのコメント欄で、それぞれ知った。 どの情報も『放送後』に入手したため
Windows95の開発の総責任者であるDavid Coleから開発の主要メンバーに緊急召集がかけられたのは、Windows95の開発も大詰めを迎えた1994年末のことである。 Shell(デスクトップ、エクスプローラ、スタートメニューなどのユーザーインターフェイス)の開発を担当していたSatoshiは、いままでの経験からこの手の緊急招集が良い知らせでないことはないことは知っていた。 David Coleが深刻な顔をして緊急招集の理由を説明し始める。Windows95そのものの開発は順調に進んでいるが、Windows3.1との互換性の維持が思うように進んでいないのである。 「このままだと、95年中にリリースすることはできない」 深刻な問題である。既に当初の予定より1年以上遅れているWindows95のリリースをさらに遅らせて95年のクリスマスシーズンを逃すことはOffice95を同時にリリ
先日も「松下電気産業とスクエニの提携」についてのエントリーを書いたが(参照)、CNET Japanの読者にもキチンと説明しておこうと、「シームレス・コンテンツ」というエントリーをCNETのブログに書かせていただいた。 以前からの私の「パーベイシブ・アプリケーションの世界観」などのエントリーを読まれている方には、特に目新しい話ではないかも知れないが、こうやって具体的なパートナー企業の名前まで上がってくると、今まで点と点でしかなかったものが、しだいに一つの絵として形を見せ始めるのでそれがとても楽しい。 最近は一エンジニアとしてではなく、CEO(UIEvolution)、チーフ・ソフトウェア・アーキテクト(スクエニ)というポジションでしかもの作りに関われずにいるため、どうしても囲碁で言うところの「布石を打つ」みたいな役目どころが回ってくるのだが、まわりの人たちに「なぜこんなところに石を置いたか」
CNetのブログに「ユーザー・エクスペリエンスとパーベイシブ・アプリケーションの世界」というエントリーを書きつつ考えたことがあるので、今日はそれに関するエントリー。テーマはデジタルデバイドである。 デジタルデバイドとは、さまざまなデジタルデバイスやネットワークの恩恵を受けられる人と受けられない人の間に大きなギャップが生まれることを指す(参照)。ギャップが生まれる原因には、所得、地域、年齢、教育の違いなどさまざまなものがある。「所得・地域格差」に関しては、私のようなエンジニアに何が出来るわけでもないので口を挟むつもりはないが、「年齢・教育」に関しては言いたいことが山ほどある。 この手の議論の際に「デジタルデバイドを解消するために人々の情報リタラシーを高めよう」などという発言を聞くことがあるが、私はこの「○○リタラシー」という言葉が大嫌いだ。もともと「リタラシーがない」とは「文盲である」という
UIE Japanの正式な活動が3月1日にスタートした。まずは、正社員三人、インターン二人が3月1日付けで参加。今の仕事の引継ぎが終わりしだい入社してもらえる人が三人。外部からコンサルタントなどの形で参加していただける人も含めると10人超の会社が、去年の11月末にこのブログで人材募集を始めてから(参照)わずか3ヶ月でここまで出来できてしまったことになる。これもすべて関係者の寛大なる理解と甚大なる努力のおかげである(感謝、感謝)。しかし、何と言っても、ネットの力を効率良く利用すると、これだけのことがこんなスピードで出来てしまうものかと、われながら関心してしまう。 木曜日と金曜日は、主に UIE Japan で作るサービスの企画に関するブレスト。面白そうなアイデアがホワイトボード一杯にかかれる。どのサービスもとても楽しそうだ。しかし、全部はとうていできないので、投票でまず4つ~5つに絞り込むこ
「ライブドア株に売り殺到 他のネット関連企業にも波及(朝日新聞)」などという記事の見出しを見るたびに、「『ネット関連企業』という十把ひとからげ的なくくり方で、投資家のパニックを煽っているのはマスコミだろう」とツッコミを入れたくなるのは私だけではないはずだ。 冷静な投資家であれば、ライブドアを単純に Google、Yahoo、Amazon、などの企業などと比べるのは全くの間違いであることは十分承知なはずだ。Google などの「ウェブ・サービス」を本業にする企業は、技術力・企画力の強さで大きくなった企業であり、彼らの目的は「世の中のために役に立つウェブ・サービスを作り、その結果として株価を上げて株主・社員に恩恵をもたらす」ことにある。その意味では、「ソフトウェア」を本業とするマイクロソフト、「半導体」を本業とするインテルも、「世の中のために役に立つ○○を作り、その結果として株価を上げて株主・
今月の初めにラスベガスで開かれたCES(Consumer Electronics Show)での主役は、「HDTV」だったのことは各メディアが既に報じたところだが、プラズマ対液晶(そしてSED)の戦いばかりが目に付く日本と違い、米国で意外に重要な役割を果たすのが実は家庭用プロジェクターである。 アメリカの昨今の住宅事情を理解していない日本人からしてみれば、「プロジェクターなんて部屋を暗くしなければ見れないし、プラズマTVや液晶TVで十分じゃん。アメリカの家はでかいから、50インチとか60インチのTVが売れるに違いない」と思っても仕方がないところだ。 しかし、今アメリカの富裕層に売れているのプラズマTVのサイズは、実は42インチぐらいなのである。富裕層向けに「良いものを安く売る」ので定評のあるCostcoに行くと2000~3000ドル程度(20万円から30万円ぐらい)のTVが飛ぶように売れて
このブログでも何度かSonyに関して触れているが、常にAppleとの対比であった。確かに、「携帯型音楽プレーヤー」という市場を見る限り、iPodの躍進がその分野でのSonyブランドの凋落に大きく寄与していることは確かだが、Sonyの問題はそれだけにとどまった話ではない。TV、DVDレコーダ、デジタルカメラという「三種の神器」市場におけるSonyが、「高くても売れる」ブランドではなくなってしまったことがもっとも大きな問題である。 こんな時期には、Sonyに関する本を出版するよりもAppleに関する本を出版した方が商売にはなりそうだが、こんな時だからこそ「どうしてSonyはこんな状態になってしまったのか?」、「これからSonyはどうしたら良いのか」をしっかりとしたデータとともに考えさせてくれた「ソニーとSony」を出版してくれた日経新聞社は偉い。 ひと言で言ってしまえば、Sonyの苦しみは成長
昨日、日経エレの副編集長のインタビューを受けたのだが、そのテーマが「Web2.0時代の家電とは?」。まさに私のスイート・スポットを突く、最高に楽しいテーマ。時間一杯、好き勝手なうんちくを展開してしまった。 そこで話したアイデアの一つが「ソシアル・ブックマーク付きDVDレコーダ」。 アイデアはすごくシンプルである。はてなやdel.icio.usの提供しているソシアル・ブックマーク・サービスのコンセプトをDVDレコーダに適用するだけのことである。ただし、わざわざユーザーにブックマークをしてもらうのも難しいので、「録画予約」そのものをブックマークとしてカウントして集計して、はてなの「人気エントリー」ならぬ「人気番組一覧」を公開するのである。 人がテレビを見るのには色々な理由があるが、その一つに、「共通の番組を見ることにより人との繋がりを作る」というものがある。そんな人たちをターゲットにしたDVD
Naria-ilcさんという方のエントリーで知ったのだが、堺市がマンホール蓋のデザインを募集している(参照)。そこで、Photoshop の練習課題のつもりで一つ作ってみた。 ユーザー・インターフェースのデザインをする時に一番大切なことは、使っているユーザーをしっかりと頭に描いてからデザインにとりかかること。 「マンホール蓋を見る人」を頭に描こうとすると、どうしても人生に疲れてうなだれて歩く人が目に浮かぶ。そこで、そんな人たちのための「元気が出るマンホール蓋」だ。 これ以外にも、「マンホール蓋」に書いてこそ生きてくるメッセージがあるはずだ。良いものを思いついた人がいたら、ぜひともコメント、もしくはブックマークコメントで教えていただきたい。
「6年勤めたNTTを退職しました」という記事が、注目を浴びているようですが、この筆者が NTT を辞めた理由が、私が32年前(1986年)に NTT を辞めた理由とあまり変わらないのに、少々驚きました。 私が NTT を辞めた件に関しては、これまで色々なところで話しては来たのですが、まとまって文章にしたことがなかったので、これを機会に書くことにしました。普段ならメルマガ(週刊 Life is beautiful)の読者限定で書くところですが、今回だけは、出来るだけ多くの人に読んで欲しいので、ブログ記事として公開します。 当時、NTTは電電公社から民営化したばかりで、1985年に入社した私は、NTTとしては第1期生でした。大学は、早稲田の理工学部電子通信学科で、修士課程まで行きました(当時は、情報学科はまだ独立しておらず、電子通信学科がソフトウェアとハードウェアの両方をカバーしていました)。
シアトルの冬は東京とは違って、雨や雪の日が多いのだが、それでも家の中は常に乾燥している。加湿器のスイッチを入れずに眠ると、朝になると喉がカラカラになってしまう。 今日の朝、「どうして外はあんなに湿っているのに、家の中はこんなに乾燥しているの?」と妻が質問して来た。もっともな質問である。そこで、今日は久々の「科学うんちく」。 我々が普段使っている「湿度」とは、「相対湿度」と呼ばれるもので、空気中の水蒸気量を飽和水蒸気量(空気が含むことの出来る水蒸気量)で割ったものである。これは、ものが乾きやすいとか乾きにくいとかいう、我々の生活実感を最も的確に表わす数値として広く使われている。 この飽和水蒸気量というのは、一定ではなく、温度の上昇とともに増える、という性質を持っている(参照)。0℃では1立方メートルあたり4.8グラムの水蒸気しか含むことが出来ないのだが、それが20℃だと17.2グラムまで含む
久しぶりにビデオを見て感動してしまった。とは言っても、「スローダンス」の最終回のことではなく、東京ゲームショウでの任天堂の岩田氏による基調講演のことである。 昨日の私のエントリーに対していただいたトラックバックのおかげで存在を知った基調講演のビデオであるが、「ゲーム業界に働く人は必見」の内容である。岩田氏の一言一言を丁寧に噛み締めて見て欲しい。 もちろん、任天堂による講演なので、任天堂のゲーム機のプロモーションであることには変わらないのだが、重要なのはその根底に流れる、性能や規模ばかり追い求める今のゲーム業界全体に対する警告と、ユーザー層を増やそう、ユーザーに新鮮な驚きを与えようという(今のゲーム業界が失いつつある)基本に戻った姿勢である。 以前のエントリーにて、「米国のMBAたちがビジネスで勝つためにエンジニアに作らせたXbox 360」と、「日本のエンジニアがエンジニアのために作ったP
XBox360 の発売日が近づいている。マイクロソフトの思惑通りに売れるのか、ソニーのPS3に一歩先んじて市場に投入することにより「次世代ゲーム機」のリーダーとしての地位をいち早く確立することができるのか、とても興味深い所である。 しかし、十代の後半の息子を二人持つ親として、彼らの行動を見ていると「果たして彼らがそもそも次世代ゲーム機なんてものを欲しがっているのだろうか?」ということが疑問に思えてきた。そこで、下の息子の友達(シアトルに住む日本人の高校生)に簡単なアンケートを実施してみた。 「クリスマス・プレゼントとして XBox360 か Video iPod のどちらかを選べるとしたらどうしますか?」 ほぼ男女比半々で21人に尋ねたところ、XBox360 が 3人、Video iPod が18人という結果になった。XBox 360 が欲しいと答えたのは男2人、女1人だったので、男女とも
梅田望夫氏のおかげでITConversationsの存在を知って以来(参照)、通勤時間に車の中で聞くのは音楽ではなくもっぱらコンファレンスのスピーチになってしまった。そこで節約した時間(もしくは得た知識)を考えれば、iPod nanoと車用アダプターの取り付け代金の元はとっくに取ってしまったことになる。 最近、順番に聞いているのが去年の10月に開催されたweb2.0コンファレンスのスピーチ。全てのスピーカーの意見に必ずしも賛成できるわけでもないが、色々な人の意見を知っておくという意味ではとても良い勉強になる。この手のコンファレンスは、行くとそれなりの刺激を受けるので良いのだが、広いアメリカだとどうしても1泊とか2泊することになってしまうのが問題だ。それが、こんな形で「参加」することが出来るのだからすばらしい。 会社の同僚にこの話をしたところ、彼もさっそくiPodを買うという。毎日の通勤時間
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