アメリカ経済学会(AEA)が発行するJournal of Economic Perspectiveがアメリカの所得上位1%と残り99%の分配についての論争を特集している。経済学101では第一弾として “アメリカのトップ1%は成長の果実を(不当にも)独り占め“でBivens and Mishelを紹介した。第二弾としてグレゴリー・マンキューの”Defending the One Percent“を紹介する。 第一弾の”アメリカのトップ1%は成長の果実を(不当にも)独り占め“では所得トップ1%の所得の伸びの大部分はレントである、ゆえに非効率であるという主張がなされたが、マンキューは効率的である、と主張している。 1. 不平等は非効率か? マンキューは、所得(分配)の不平等に関する議論は必然的に社会的・政治的規範を含んでしまうが、もし不平等が同時に非効率を生むものであるならば、ある分配がパレート