受賞決定直後の10月3日夜に、東京工業大学で記者会見した大隅さんが繰り返し語ったのは、短期的な成果に直結しない基礎科学を追究する科学的精神の重要さ、そして、それがなかなか許されなくなっている社会への憂いだった。
東京工業大学 科学技術創成研究院 大隅良典栄誉教授は、細胞の自食作用である「オートファジー(Autophagy)」の機能を世界で初めて肉眼で確認し、その分子レベルでのメカニズムや関連遺伝子について明らかにしてきた細胞生物学者だ。 オートファジーは、神経変性疾患や癌などといったさまざまな病態に関する多くの機能と関連があることが示唆されている。大隅栄誉教授は、生物科学および医学分野に重大な影響をもたらしたことにより、今年6月に国際ポール・ヤンセン生物医学研究賞を受賞した。 同賞は、80以上の医薬品の発見と開発に貢献したベルギーの薬理学者 ポール・ヤンセン博士の栄誉を称えるために創設された賞だが、大隅栄誉教授は「私自身は良い薬を作ったわけではなく、研究が直接的に社会の役に立ったわけではない」とあくまで基礎科学の研究者として一貫した姿勢をくずさない。 一方で、日本においては国立大学運営費交付金など
「私のホームページにファクトチェッカーのサイトを作りました。事実を知りたい人はぜひ見に行ってください」(*1) 先日行われた米大統領選の第1回テレビ討論会。民主党候補ヒラリー・クリントン氏の口から、こんなセリフが飛び出した。彼女が見てほしいと呼びかけたのは、共和党候補ドラルド・トランプ氏の発言内容の真実性を検証したウェブサイト「Literally Trump」のことだ。彼女の発言後1時間以内に約200万人がアクセスし、この一晩でSNSで1万8000回シェアされたという。(*2) 彼女はこの討論会で3度「ファクトチェッカー」(Fact-Checker)に言及していた。 ファクトチェッカーとは、ある言説内容が事実かどうかを調査・分析する人を指す。対象となるのは、政治家の発言、メディアの報道、知識人の言説などだ。Fact-checkという単語は英語圏で定着し、辞書にも載っている。 米国には専門職
今、結構頭に来ています。 10月2日放送のフジテレビ系「新報道2001」にて、「豊洲新市場の建物の柱が傾いている?」という「疑惑」が報じられました。そもそもこの「疑惑」自体、ほぼ根拠のないデマといってよいものと思いますが、問題はそれだけではありません。番組内で重要な「証拠」画像を、自分達の都合のいいように加工して使用しているという疑惑があります。もしこの加工が本当なら、これはもう「捏造」と言うべきレベルの問題です。 では順を追って説明していきましょう。 番組の流れ 今回検証に用いたのは、YouTubeにアップロードされていたこちらの動画です。まず番組冒頭で、この「柱が傾いている疑惑」が報じられます。関連箇所を文字起こししました。 (1:59より、VTR映像) ナレーター「こうした問題は何も地下空間だけではない。我々はある一枚の写真を入手。あれ、柱が傾いている。」 ナレーター「これは、中央区
NHKは9月25日、「縮小ニッポンの衝撃」と題したNHKスペシャルを放映。100年近い歴史を持つ国勢調査によって、初めて人口が減少した日本の各地で今、実際に起こっている事態に迫った。 番組内では、人口の一極集中が進む東京が歩むであろう未来や、財政破綻に伴うインフラサービス縮小に悩む自治体の姿などを紹介。その陰惨たる現実を突きつけられた視聴者は放映後、インターネット上に絶望にも似たコメントなどを多数投稿していた。 豊島区が抱える問題 2016年2月に発表された2015年の国勢調査によると、1920年の同調査開始以来、日本の総人口が初めて減少に転じたことが明らかになった。2010年の調査時より減った数は94万7,000人で、全国の8割以上の自治体で減少が認められたという。 日本の人口は、1920年に約5,600万人だった。そこからベビーブームや、地方から都市部への集団就職、高度経済成長などを経
ことの発端は、9月末〜10月1日にかけて、Twitterで外国人観光客に対してわさびを大量にいれた寿司を提供された、という証言が出たこと。真偽を疑う声も上がったが、市場ずし側は2日付で事実関係を認め、謝罪を出した。 A子さん(仮名)は、今年3月に難波店を訪れた。A子さんは日本人だが、日本に来て2年目の韓国人の彼氏がいる。デートで食事をした。 「行ったのはお昼です。ほぼ満席でしたが、カウンターの席に案内されました。常連さんのような方が多く、私たちは初めて来たので、少し浮いているような感じがしました」 「外国語で書かれているメニューもありましたが、私たちは日本語のメニューや壁に書いてある品書きを見て注文しました。彼は、ある程度の日本語はできるのですが、漢字を読むことができません。なので、私が説明しながら、2人で一緒に注文しました」 「彼も日本語で注文したのですが、彼のイントネーションや言葉使い
<停戦が事実上崩壊したシリアのアレッポが今、ロシアとシリア政府軍の「武器実験場」と化している。オバマは口だけで手出しはできないと、空からありとあらゆる武器を投下しているのだ> (写真:アレッポへの空爆は再び激しさを増している) シリア北部の都市アレッポでは、この8日間だけで1000人以上の住民がロシアの空爆で殺された。ロシアとシリアのアサド政権の新たな攻勢は、アメリカの大統領が変わる前に奪えるものは奪っておこうという計算と、もう少しで勝利に手が届くという確信の表れだ。 アメリカの国連大使サマンサ・パワーは先週初め、ロシアとロシアの支援を受けたアサド政権軍が反政府勢力の支配地域に対して行っている無差別攻撃を「野蛮行為」と批判した。しかしパワーの言葉とは裏腹に、バラク・オバマ米大統領はロシアとシリアがアレッポで焦土作戦を行うのをただ見ているだけだ。 【参考記事】人道支援トラックに空爆、シリア和
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