生理学会の「若手の会」主催 シンポジウムで、栗本慎一郎さん、 丸山篤史さんと ご一緒する。 丸山さんをはじめとする生理学会の 若手の会のひとびとは、「気合い」 が入っていて好きだ。 「気合い」さえあればそれでいいという わけではないけれども、活気ある人生を送るための 必要条件ではある。 丸山さんがまだ高校生の時に、 栗本慎一郎さんの『意味と生命』 を読んで、ポランニーの暗黙知 理論とそれを受けて展開される栗本さんの 思考に触発されて、生命科学者を志した。 時が流れて、その思いが 今回の「若手の会」のシンポジウムに 結実したわけで、そういう話は 私はとてもとても好きである。 シンポジウムの前、会場近くの 食堂で味噌ラーメンを食べた。 いかにも大阪らしい店で、惣菜が 並んでいて、セルフサービスになっている。 食べ終わって出る頃になって、龍の 刺繍の付いた派手なトレーナーを着た おじさんとその友
「うひ山ふみ」の本文と「玉勝間」からの附載を掲載します。これは、本居宣長が、学問の入門者への心得として、研究法の要点を説いたものです。これはまた、外国語を極めようと志す人にとっても、貴重な方法論を教えてくれています。ぜひ「うひ山ふみ」本文をじっくり読んで、自分の専門分野や外国語の学習方法にアレンジしてみてはいかがでしょうか。 原典は段落分けがなされていないのですが、掲載するにあたって、読みやすくするために、適宜段落分けを施しました。また、旧字体は新字体に直しました。ただし、「餘」はそのままにしました。転載されるときに気に入らない方は、「余」に直してください。 また、仮名遣いおよびその他の表記は岩波文庫版のままにしてあります。重ね字の途中で改行される場合以外は第二字に「々」を振るのが普通ですが、ここでは例えば「巻巻」を「巻々」と直すことはしませんでした。これも、転載される際、気に入らなければ
増補 ケインズとハイエク―“自由”の変容 (ちくま学芸文庫) 作者: 間宮陽介出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2006/11メディア: 文庫購入: 8人 クリック: 52回この商品を含むブログ (26件) を見る 1989年に出たものの増補版。各章で議論の雰囲気がそれぞれ大きく異なり(例えば第3章は思想・哲学的な論調だが、第4章は経済学的、そして終章は一転、社会学的な論調になる!)、頭を切り替えるのが結構大変だったが、なかなか勉強になった。 第2章「自由主義と自由放任主義」、第3章「ハイエクの自由論」の各章が特に面白かった。古典的自由主義といわゆる新自由主義との違いが理解できる。ハイエクの自由主義思想も、けっこう奥が深そうだ。また第4章「自由のディレンマ」では、貨幣経済論にのみ限定してケインズを論じている。そのためこの章でのケインズ論は、ハイエク思想を体系的に論じた第3章との対比には
以前は人に勧められた本をよく読んだし、そうしたことで自分の視野の狭さを知るきっかけとなったものだが、いつからかそういうことが減ってきた。本書「〈つまずき〉のなかの哲学」(参照)は、久しぶりにそうした契機で読んだものだ。一読して、なるほどな、私に勧めたくなる本だな、ということがよくわかった(ありがとう)。「私」とは何か、人生とは何か、そういうものに私は今四十九歳までぶつかり続けた。これからもそうだろうが。 筆者山内志朗については私は知らなかったが一九五七年生まれとのことで私と同年である。もしかしたら過去のネット世界のどこかでハンドルとハンドルで遭遇していたかもしれないと思った。 本書は率直に言うと私には読みにくい本だった。理由は私にある。私が思考の柔軟性を失いつつあり、哲学書に対してまず哲学史的な特定の枠組みを求めてしまうことと、また、本書で多く言及されているヴィトゲンシュタインについて顕著
ノーバート・ウィーナーは、しばしば「情報科学の父」と呼ばれるが、彼の主著『サイバネティックス』(1948)をいま読むと、むしろ現在のコンピュータとはまったく違うことに違和感を覚える。副題が「動物と機械における制御と通信」となっている通り、ここで彼が情報システムのモデルにしているのは生物である。その第1章は「ニュートンの時間とベルグソンの時間」と題され、ニュートンの可逆的で決定論的な時間に対して、ベルグソンの進化論的な時間概念を情報科学に導入しようとしている。 情報科学の主流になったのは、ウィーナーの考えたような自己組織系ではなく、外部からプログラムとして与えられた命令をメカニカルに処理するフォン=ノイマン型コンピュータだった。それは世界を機械と考え、人間がそれを神のように外からコントロールするニュートン的なシステムである。自然科学のモデルも依然としてニュートンであり、社会科学でも経済学は
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