このたび、『岩波講座 社会学』が正式に刊行開始となりました。前回の「岩波講座」からほぼ30年経つ。私のほかに、北田暁大、筒井淳也、丸山里美、山根純佳の各氏が全体の監修を務め、テーマごとに編集される全13巻の各巻に、そのテーマに造詣が深い社会学者が編者になります。 前回の「岩波講座」が刊行されたときは、たしか私はまだ院生でした。貪るように読んだことを覚えています。あれから社会も、社会学も、大きく変化しました。 前回は上野千鶴子や吉見俊哉、大澤真幸などが全体の監修者で、巻数も26あったと記憶しています。各巻のタイトルも凝ったものが多かった。執筆者も社会学プロパーだけでなく、竹田青嗣などの周辺領域の方が入っていました。文体や内容も派手で、自由で、雑多で、それほど社会学とは関係のないものもたくさんありました。もちろんそれだけではなく、当時の最先端の社会学的な議論をしている論文もたくさんあって、たと
「自習にするしかない」「担任が決められない」「保護者に教員免許保持者がいないか尋ねている」……。文科省によると、2021年度のはじめには全国で2065人の未配置(教員不足)が発生している。だが、朝日新聞編集委員の氏岡真弓氏は「この数は氷山の一角に過ぎない」と指摘する。教員不足はいまや日本社会の大きな問題となっているのだ。 本稿では、10年以上この問題を追い続けた氏岡氏の新刊『先生が足りない』の刊行を機に、教員不足の実態や背景、取材から見えてきたこと、そして同書の読みどころについて、お話を伺った。 (聞き手 岩波書店編集部) 初めての単著に踏み切った理由 ──氏岡さんは朝日新聞記者として、長年教育に関する取材を続け、数多く記事や論稿を書いてきました。意外なことに、本書が氏岡さんの初めての単著となりますが、ご執筆の理由はどういったところにあるのでしょうか? これまでも、著書のお話を頂いたことは
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