「クッキーとダイコン」というちょっと意地悪な実験があります。 同じ部屋に、焼かれたばかりのおいしそうなチョコチップクッキーの皿と、千切りにしたダイコンの皿が置いてあります。「味覚の記憶についての研究」に協力を申し出た大学生を二つのグループに分け、半数はクッキーを、残りの半数にはダイコンを食べるよう指示します。 クッキーはすごくいい匂いがしているのに、貧乏くじをひいた学生は、それを横目で見ながら不味いダイコンをかじらなければなりません。研究者はわざと部屋から出ていき、その気になればつまみ食いもできるのですが、「研究のため」といわれているのでガマンせざるを得ないのです。 次にこの大学生たちに、一筆書きで複雑な図形を描くというパズルをしてもらいます。このパズルはどうやっても解けないのですが、学生たちはそんなことは知らないので、あれこれ試行錯誤しながら必死に取り組みます。 じつはこの実験は、クッキ
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