天ケ瀬ダム(京都府宇治市)に増設したトンネル式放流設備から初めて本格放流したところ、吐口部の対岸で崩落や洗堀が発生した。放流が原因となった可能性がある。ダムを管理する国土交通省淀川ダム統合管理事務所では、「専門家の意見を聞きながら、原因究明と対策の検討を進める」(森下英明副所長)としている。
天ケ瀬ダム(京都府宇治市)に増設したトンネル式放流設備から初めて本格放流したところ、吐口部の対岸で崩落や洗堀が発生した。放流が原因となった可能性がある。ダムを管理する国土交通省淀川ダム統合管理事務所では、「専門家の意見を聞きながら、原因究明と対策の検討を進める」(森下英明副所長)としている。
ある会合で話をしてほしいと言われた。会合の趣旨を聞くと「日本がなぜITの利用で劣後してしまったのかを考えること」と説明してくれた。演題を考えているうちに「ソフトを他人に作らせる日本、自分で作る米国」という一言が浮かんだ。 この言葉は10年近く前、2013年12月に出版した拙著の書名である。元々は日経ビジネスオンライン向けに書いたコラムに付けた題名であり、そのコラムを同書の巻頭に再録した。 「日本企業は自社で利用するソフトのほとんどをIT(情報技術)企業に開発させているのに対し、米国企業はソフトを内製する比率が高い」「日本のソフト開発技術者の大半はIT企業に所属するが、米国のソフト開発技術者の大半はIT企業ではなく一般企業に所属している」、これがコラムの内容であった。ここでいうソフトはコンピューター上で動かすプログラムのことである。 これ自体はソフトの内製化と言われる問題だ。実は同書の主題は
川崎市は2023年5月2日、市民がコンビニエンスストアでの証明書交付サービス(コンビニ交付)を利用した際、別人の証明書が出力されたと発表した。市は同日午後1時30分ごろにコンビニ交付を休止した。 住民票の写しや印鑑登録証明書など、調査の結果不具合の影響がないと判明した証明書の交付は、5月3日午前6時30分に再開した。戸籍の付票の写しと戸籍証明書の交付は、5月8日午後4時50分時点で休止したままである。
USBでつながる周辺機器の中には、パソコンの操作性を劇的に向上してくれる便利な製品がある。 マクロ機能付きの小型キーボード「Stream Deck +」は、入力作業の効率化に役立つ優れもの。事前に専用アプリをインストールし、本体に並ぶ個々のボタンやダイヤルなどに、ショートカットキーやファイル、テキストなどを登録する。アプリの起動やメールのテンプレート、ウェブサイトへのアクセスなど、いろいろな操作を割り当てることができ、それをワンタッチで実行できる(図1)。
米国に行ってChatGPTなど生成AI(人工知能)を巡る熱気を肌で感じてきた人は、誰も彼もが「えらいことになった」と口走っている。もちろん単に、質問にそれらしく答えたり、出来の良いソースコードを書けたりするからだけではない。開発元である米OpenAI(オープンAI)の戦略が図に当たり、多数の関連スタートアップが誕生しているのを目の当たりにしてきたからだ。だが、日本に帰ってくると「生成AIの課題はねぇ……」といった講釈ばかり。「世界から完全に取り残される日本」を実感するのだという。 今回の「極言暴論」は本来の守備範囲から少し逸脱しようと思っている。冒頭の一文の通り、話題沸騰中の生成AIに絡む話に手を出すつもりだ。この手の話は私のもう1つのコラムの「極言正論」やTwitterのツイートなどでは述べているが、極言暴論では日本企業のIT活用の愚劣さやIT業界の不条理などを俎上(そじょう)に載せるこ
コンビニの証明書交付サービスで別人の住民票が発行されるトラブルが横浜市で発生した問題について、サービスの提供ベンダーが富士通Japanであることが日経クロステックの取材で2023年3月29日までに分かった。同社が手掛ける証明書交付サービスへのアクセスが集中し負荷が高くなったことで、「プログラム的な瑕疵(かし)が表面化した」(広報)という。 富士通Japanは日経クロステックの取材に対し、システムに不具合があったことを認めた。負荷が高くなると別人の住民票が発行される事象の詳細については「回答を控える」(広報)とした。 同トラブルは2023年3月27日午前、横浜市に住民から寄せられた連絡で発覚した。住民がコンビニでマイナンバーカードを使って住民票を取得したところ、別人の氏名や住所が記載された住民票が交付されたという。横浜市は同日午後2時にコンビニでの証明書交付サービスを停止し、誤って交付された
デジタル庁が官民で横断的に利用できる認証アプリを、2024年度初めをメドに提供することが、日経クロステックの取材で分かった。マイナンバーカードを使った本人確認手続きやログイン認証を、新たに開発するスマートフォン用アプリに集約する。 これまでマイナンバーカードを使った本人確認手続きやログイン認証は、行政のサイトや民間サービスごとに異なっていた。デジタル庁は国の行政サイトを新認証アプリに順次対応させるほか、地方自治体に利用を促し、さらに民間サービスにもアプリの認証機能を開放する。国と地方、民間が横断的に利用できる、いわば個人認証の「スーパーアプリ」の地位を狙うプロジェクトといえる。 本人確認手続きや個人認証がこのアプリ1つで可能になることで、マイナンバーカードの利用者体験が大きく向上するというメリットをデジタル庁は訴える。 マイナンバーカードは2023年3月12日時点の申請ベースで対象人口の7
日経クロステックが2022年10月に実施したプログラミング言語の利用実態調査によると、メインで利用するプログラミング言語で最も回答が多かったのが「Java(ジャバ)」、2位は「Python(パイソン)」だった。ところが、このランキングでトップ10にも入っていないプログラミング言語が、毎年50万人近く受ける試験に採用される。そんな“謎”のプログラミング言語が「DNCL」だ。 DNCLなんて聞いたことがないというITエンジニアもいるだろう。筆者も高校生の息子に昨年聞いたばかりだ。DNCLを採用した試験とは何か、なぜ、どんな問題に採用されたのか。謎のDNCLに迫った。 試験のためのプログラミング言語 DNCLとは「共通テスト手順記述標準言語」と呼ばれるプログラミング言語で、大学入試センターが実施する「大学入学共通テスト」(2020年までは「大学入試センター試験」)で使用している言語だ。DNCLは
「英国のメディアや議会が富士通を激しくたたいている。最悪の場合、10億ポンド(約1570億円)の補償金を支払わされる上に、偽証の汚名まで着せられかねない」。富士通の元役員は新年早々、電話でまくしたてた。富士通は英ポストオフィスが引き起こした一大冤罪(えんざい)事件に責任があると指弾されている。英ガーディアン、英BBCニュース、英コンピューターウイークリー、英ザ・レジスターといったメディアが続々と報じた。 富士通システムを信じ、職員を訴え 英ポストオフィスは英国有企業で全国に1万8000ある郵便局のリテール部門を担う。同社はHorizonと呼ぶ基幹システムの残高と郵便局の現金残高が合わなかったことを理由に、2000年から2014年にかけて736人ものサブポストマスター(郵便局長に相当)や郵便配達員を窃盗、横領、詐欺で訴え、有罪判決を受けたり弁償させられたりした人が続出した。その後の調べでHo
SI企業の強み・弱みを分析し、SIビジネスの先行きについてまとめた書籍『SI企業の進む道 業界歴40年のSEが現役世代に託すバトン』。同書から抜粋し、「誰も指摘しなかったSI企業の課題」を連載で指摘する。今回は、SIerがユーザー企業の要望に応えられない根源的な理由を探る。(技術プロダクツユニットクロスメディア編集部) 既存ITシステムの問題をユーザー企業以上に理解しているのはSIerである。ところが、その問題をユーザー企業に説明し、対策をとろうとはしない。ではなぜ、SIerのIT技術者たちは口を閉ざしているのだろうか。 その答えはこうだ。問題を説明した後に「では、どうすればいい?」と問われても答えられないからである。つまり、既存ITシステムの変革をどのように行えばいいのか分からないのだ。 情報処理推進機構(IPA)が平成29年に出したレポート「システム再構築を成功に導くユーザガイド」には
楽天グループがオンプレミス(自社所有)環境のプライベートクラウド「One Cloud」を拡充し、グループ企業の各種事業が用いるIT基盤の統合を進めることが日経クロステックの取材で分かった。現在、パブリッククラウドで稼働させているシステムが多数あるが、原則としてOne Cloudへシフトしていく。グループ全社でIT基盤のプライベートクラウドへの集約を進めてコスト効率を高めるほか、IT基盤のノウハウを蓄積し安定稼働やセキュリティー強化につなげる。 プライベートクラウドは、新たに参入を計画する法人向けITサービスの基盤にも活用する。計画するのは本人確認に使うeKYCやWebサイトのアクセス分析、電子決済の機能などだ。いずれもグループの事業で使うために開発した技術で、従量制のパブリッククラウドサービスとして外販する方向で準備を進めている。 部分的だったOne Cloudの利用、まず楽天市場で全面採
Q.ユーザー企業の情報システム部門の責任者です。経理や人事業務はパッケージを利用しており、カスタマイズや追加プログラムの開発は大手IT企業のA社に発注しています。実際は、A社の下請けであるIT企業B社が対応します。今回新たに、サブシステムを追加することになりました。プロジェクト体制図から見るとプロジェクトリーダーはA社マネジャーですが、この人が顔を出すのは、定例会と費用提示のときぐらいです。付き合いの長いB社がいるので困ることはありません。開発費用の原価構造は分かっており、その点から見ても、丸投げにしてはプロジェクト管理費を含めて全体的に高いと思っています。 筆者の顧問先企業での話です。質問者はIT企業出身で、費用構造をよく理解しています。なによりB社との付き合いが深いので、原価も分かっているわけです。 打ち合わせからパッケージのパラメーター設定、追加プログラム開発、導入サポートまで対応し
三菱重工業が超小型原子炉(マイクロ炉)の開発を進めている(図1)。炉心サイズが直径1m×長さ2mとトラックで運べる小ささだ。可搬性に優れることから、離島やへき地、災害時の電源として期待できる。次世代原子炉としては電気出力300MW以下の「小型モジュール炉(SMR)」などにも注目が集まっているが、マイクロ炉はそのSMRよりも小さい。果たしてどのような構造、仕組みなのか。
システム開発の頓挫を巡る、文化シヤッターと日本IBMとの間の裁判で、東京地方裁判所は日本IBM側に19億8000万円の支払いを命じた。米セールスフォースのPaaSを用いた販売管理システムの構築を目指し、2015年に始めた開発プロジェクトだったが、2017年にストップしていた。東京地裁は開発失敗の原因をどう認定したのか。裁判記録をもとに読み解く。 文化シヤッターが、20年以上前から使用していた販売管理システムを刷新するプロジェクトを本格的に始動させたのは2015年1月のことだ。日本IBMに提案依頼書(RFP)の作成を委託。そのRFPを基に複数ベンダーから提案を受けた上で、日本IBMを開発委託先として選定した。 日本IBMの提案はシステム構築に米セールスフォースのPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)である「Salesforce1 Platform」を用いるものだった。RFPでは標準
今回の通信障害では、音声電話やSMSが一時つながらなくなったほか、データ通信がつながりにくかったり途切れたりといった状態になった。影響を受けた回線数は7月3日午前11時時点の概算で最大約3915万回線。内訳はスマートフォン・携帯電話が同約3580万回線、MVNO(仮想移動体通信事業者)向け回線が同約140万回線、IoT(インターネット・オブ・シングズ)回線が同約150万回線、「ホームプラス電話」回線が同約45万回線。 通信障害のきっかけとなったのは、メンテナンスの一環としてモバイルコア網と全国各地の中継網をつなぐコアルーターのうち、1拠点で旧製品から新製品へ交換する作業。これに伴い通信トラフィックのルート変更を実施している際に「VoLTE交換機でアラームが発生した」(高橋社長)。確認したところ「ルーターのところで何らかの不具合が起き、一部の音声トラフィックが不通になったことが判明した」(同
常陽銀行や十六銀行など「Chance地銀共同化システム」を利用する地方銀行8行とローソン銀行で2022年3月26日にシステム障害が発生していることが分かった。各システムが使うキンドリルジャパンのデータセンターで電源障害が発生したことが原因とみられる。システム障害の影響を受けている銀行の数など被害の全容は現時点で明らかになっていない。 十六銀行によると、同日午前11時9分にオンラインシステムに障害が発生し、全てのATMとネットバンキングが利用できなくなったという。午後2時時点でChance利用行はそれぞれのWebサイトでATMやネットバンキングなどが利用できない状況になっていると掲出している。ローソン銀行はTwitter上で同日午後1時にシステム障害を知らせた。 百十四銀行によれば、原因や復旧のめどは「調査中」(経営企画部)という。日経クロステックの取材では、Chance地銀共同化システムや
プログラミングの学習を始めようとする人がする定番の質問がある。「どのプログラミング言語を選べばいいか」というものだ。 私はこのコラムで以前、JavaScriptからプログラミングを始めてはどうかと書いた。JavaScriptはWebブラウザーさえあれば動作するからだ。例えば「Chrome」であれば、F12キーを押して「Console」タブを選ぶだけで、JavaScriptの対話実行環境を利用できる。 関連記事: 保存していないクレジットカード情報が漏洩する謎、鍵はあのプログラミング言語 もっとも、JavaScriptは最初に学ぶ言語としては少し癖が強いとも感じている。どちらかというと、2番目か3番目に学ぶことで視野が広がるタイプの言語ではないだろうか。 私が初心者に勧めるとしたら候補は2つある。「Ruby」と「Python」だ。 私がRubyを勧める理由は、「プログラミングの楽しさ」を体験
100万人の雇用と、15兆円もの貿易黒字が失われかねない――。 脱炭素の遅れで自動車は輸出できなくなり、最大の輸出産業で雇用が失われる。トヨタ自動車の豊田章男社長が“必死の警告”を続けている。 菅義偉首相の「2050年カーボンニュートラル宣言」の後、日本自動車工業会(自工会)の会長として宣言に賛成した上で、このままでは「産業が崩壊する」と叫び続けているのだ。 「カーボンニュートラル2050、これは国家のエネルギー政策の大変化なしに達成は難しい」「ここで手を打たないと、モノ作りを残して、雇用を増やし、税金を納めるという、自動車業界がやっているビジネスモデルが崩壊する」(2020年12月17日) 「車の競争力をどれだけ上げたとしても、このままでは日本で車を作れなくなる」(2021年3月11日) 「クリーンエネルギーを調達できる国や地域への生産シフトが進み、日本の輸出や雇用が失われる可能性がある
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