日本企業で新規事業開発に携わる方たちの多くが経験してきた「あるある」をマンガで紹介する本連載。第1回は、仮説検証段階のアイデアに対して、既存事業のような確実さと規模を求められるケースです。
新規事業開発において既存事業との距離をどう定めるか 事業開発には「自社の強みを活かす」「世の中で有望な事業機会を捉える」という2つの考え方があります。当然、「世の中で有望な機会」かつ「自社の強みが活きる」ような事業が望ましいのですが、その場合、既存事業の延長として既に取り組まれていることがほとんどです。したがって、事業案としては「自社の強みを活かすことはできるが、さほど事業機会としては有望ではない」ものか、「自社の強みは活きないが、事業機会としては有望」なもののいずれかになるケースがほとんどです。 “強み”というのは、顧客に競合ではなく自社を選択してもらいやすくするための要素です。「強みを活かそう」と思えば、大なり小なりその「強みを活かしている」既存事業との近接領域になり、一定のカニバリゼーションは避けられません。一方、既存事業とのカニバリゼーションを避けようとするならば、必然的に既存事業
問題や課題を解決する、あるいはそもそも発見するためにフレームワークの活用は欠かせません。自分が今何に悩んでいるのかを把握したら、やみくもに考えを広げるよりも適切なフレームワークを使うべきです。『ビジネスフレームワーク図鑑』(翔泳社)から、役立つフレームワークを4つ紹介します。 意思決定マトリクス:定量的・客観的に選択肢を評価する 基本情報 「意思決定マトリクス」は、課題やアイデアなど、複数の選択肢を評価・選定する際に活用する手法の1つです。複数の選択肢がある状況で意思決定を行う際、定性的な情報や主観だけに頼るのではなく、定量的・客観的に評価するために活用します。 個人での活用はもちろん、アンケート形式にして複数人で使うことも可能です。複数人で活用する場合は、評価項目の意味や定義をメンバー間で共有しておくことが重要です。基本的には得点の高い選択肢を採用することになります。ただし、必ずしも最高
今回から、事業体のビジネス設計を表わす「ビジネスモデル」の各論についてご説明いたします。まずは、ビジネスモデルの1つ目の柱である「プロダクト革新」とその構成要素である「価値提案」からスタートしていきましょう。 顧客に価値をもたらす「プロダクト」と「サービス」の融合 図1.価値提案に関する基本的な問い ビジネスモデルを構成する1つ目の柱は、「プロダクト革新」です。プロダクト革新は、事業体が自身の顧客に提供するモノの全ての側面を含み、ビジネスモデルの中核を形成します。プロダクト革新の唯一の構成要素は「価値提案」です。価値提案とは、「事業体のターゲット顧客に対して価値をもたらす、プロダクトとサービスの組合せの全体像」を表すものです(図1)。 価値提案という言葉の背景には、2つの理由があります。1つ目は、その価値は提供者側の価値ではなく、顧客
人口減少社会に入るなか、沿線人口の伸びとともに成長してきた鉄道会社もビジネスの変革を求められています。小田急電鉄株式会社はインフラ企業から「地域価値創造型企業」への変革を成し遂げています。小田急電鉄ではどのように変わって、新しい事業を生み出しているのか。株式会社ヒューマンバリューが主催した『GROW THE PIE』出版記念フォーラム─パーパスと利益の二項対立を超えて、持続可能な経済・経営を実現する─のセッション「インフラ企業が挑む『地域価値創造型企業』への変革ストーリー」の模様をレポートする。 “対話”による事故防止と風土改革 「『GROW THE PIE』出版記念フォーラム ─パーパスと利益の二項対立を超えて、持続可能な経済・経営を実現する─」の実践企業セッション1社目として、小田急電鉄株式会社でデジタル事業創造部 課長を務める政光賢士氏が登壇した。 小田急電鉄グループは、「お客様の『
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