東京電力が福島第1原発事故時、核燃料が溶け落ちる炉心溶融(メルトダウン)を判断する社内マニュアルの基準に気付いていなかったとする問題で、東電原子力・立地本部の岡村祐一本部長代理は11日、事故前から基準を知っていたことを明らかにした。東電が「気付いていなかった」とこの問題を公表したのは今年2月。2カ月もたち、一転して幹部が把握を認めた東電の体質に批判の声も上がりそうだ。 基準では「炉心損傷割合が5%超」で炉心溶融と定義。岡村氏は11日の定例記者会見で「基準は社内で20年ほど業務をしている中で知った」という。事故当時は水処理関連施設などの復旧業務に就き、「(炉心溶融を)判断する立場ではなかった」と話した。