2011年3月東日本大震災から6年がたった。6年という月日は、人々の記憶の中で震災を完全に過去の出来事としてしまったのだろうか。 震災のその後にフォーカスした報道が減っているのは明らかだ。筆者は福島で生まれ育った。福島を離れ関東に暮らしてはいるが、故郷には愛着がある。時折帰る故郷は、表面的には穏やかさを取り戻しているように見えるが、その穏やかさとは裏腹に、まだ不安を抱える人がたくさんいる。 東京電力福島第一原子力発電所の事故で、原子炉から漏れ出した放射線物質の影響は、目には見えない。その目に見えない影響は、いつ、どのように健康被害として現れるのか予測がつかないという不安をもたらす。健康被害を最小限に食い止めるには、放射能に汚染された場所や物から遠ざかることがもっとも有効だ。そして放射線量を具体的な数字で知ることが重要になる。 放射能に対する地域住民の不安を少しでも軽減するため12年12月、