立野ダムは、熊本県に建設途中の流水型ダムだ。ダムの左岸は大津町に、右岸は南阿蘇村に隣接する。高さは87メートル、幅は197メートルとなっており、下流は白川から有明海に通じている。 流水型ダムは、黒部ダムや高瀬ダムなどのように、通常時に水を蓄えておくわけではない。主目的となる洪水調節機能に特化しており、水を吐き出す穴がダムの下部に設置されている。このため、通常時は川が流れるのと同じ状態となる。また洪水時は一時的にダムに水をため込みつつ、空けられた穴から常に一定量の水を排出し続けることで、洪水時のピークとなる水量に達するまでの時間を稼ぎ、被害を軽減する効果があるとされる。 立野ダムの建設事業は、1983年より着手。2016年に熊本地震によって建設地周辺で断層活動などが確認されたが、調査の結果ダム建設に問題がないことを確認できたため事業は継続された。そして2023年5月にはダム本体のコンクリート