タグ

ブックマーク / courrier.jp (82)

  • 中国で「日本のキモノは禁止」法案 進む“脱日本”に国民の反応は? | 過去にもあった“装いの束縛”

    中国で「国家の精神と情緒に悪影響を与える」服装を禁止する法案がネットで公開された。その服装として挙げられたのが日の着物だ。 中国内で大きな論争になっているこのキモノ禁止令が生まれた複雑な背景について、メルボルン大学で歴史学を教えるアントニア・フィネイン教授が解説する。 発端となった「蘇州着物事件2022年、ある若い女性が浴衣を着て、蘇州の景色を背景に写真を撮っていると、警官に声をかけられた。激しい口論の末、彼女は公共の秩序を乱したとして逮捕された。その一部始終は、彼女のスマホで録音されていた。 この「蘇州着物事件」は話題となり、警官の対応の合法性について議論が巻き起こった。 中国で着物を着たことが騒動につながったのはこれが初めてではないし、そして最後でもなかった。新たな騒動は2023年3月、1937年に大日帝国による大虐殺があった場所として知られる南京で起こった。ある観光客が、寺院

    中国で「日本のキモノは禁止」法案 進む“脱日本”に国民の反応は? | 過去にもあった“装いの束縛”
  • スウェーデン人作家が綴った「自閉症を隠しながら生きる女性たち」の辛さ | 大人になって「自閉症」と診断され、やっと楽になった

    「私が子供だったころ、女性の自閉症者は存在しないとみなされていました」 スウェーデン人作家・ジャーナリストのクララ・トゥーンバルは、成人してから自分が自閉症であることを知った。彼女は、女性の自閉症の診断数はあまりに少なく、多くの人たちが生きにくさを抱えながら生きていると綴る。 なぜ、自閉症の診断には大きなジェンダー・ギャップがあるのだろうか? あまりにも偏ったチェックシート 「7ページを見てください」と精神科医が言った。 私は膝に載せたパンフレットをめくった。7ページのいちばん下には、こう書いてあった。 「自閉症。ただし知的障害や言語障害を伴わない」 その記述によると、私はかつてアスペルガー症候群と呼ばれていた疾患*の7つの診断基準すべてを満たしていた。77ポイントを満たせば自閉症と診断されるところ、私のスコアは実に154ポイントにものぼった。 こんなにもきっぱり診断されるなんて「私もなか

    スウェーデン人作家が綴った「自閉症を隠しながら生きる女性たち」の辛さ | 大人になって「自閉症」と診断され、やっと楽になった
  • 「偽物のビール」から「本物の健康飲料」へ─ノンアルコールビールの新時代 | それは人々の変化を反映している

    ノンアルコールビールの新たな「効用」 ヴァップラーの開発したノンアルコールビールが東ドイツで成功する間、西ドイツの市場でも若干の動きがあった。 フランクフルトのヘニンガー醸造所は1977年に「ゲステル」を出し、続いて1979年には、ビンディング醸造所が全国的に有名な「クラウスターラー・アルコールフリー」を出した。 これは現在も、ビーレフェルトの家族経営企業エトカー傘下のラーデベルガー・グループから販売されている。「いつもじゃないけど、ますます多く」という売り文句のクラウスターラーは、90年代には市場を支配していた。といっても、ノンアルコールビールの市場そのものが小さく、ほとんどないようなものだったのだが。 状況が変わったのは、2000年代が始まる頃、エルディンガー醸造所が賢い思いつきをしたときだった。 ノンアルコールビールが持つ等張性による効果は学術論文ですでに立証されていた。ノンアルコー

    「偽物のビール」から「本物の健康飲料」へ─ノンアルコールビールの新時代 | それは人々の変化を反映している
  • 黒人の少女だけ「ガン無視」されたメダル授与式 「胸が張り裂ける」動画 | アイルランドの体操競技会で

    一列に並んだ若い女子体操選手たち一人ずつの首にメダルをかけていく審判。だが黒人の少女の前だけ素通りして、彼女にメダルを与えなかった──これは2022年3月にアイルランドで開催された競技会での表彰式の動画だが、数日前からツイッターで拡散され、国際的な批判を浴びている。 Welcome to Ireland where people get away with racism! This little black girl broke my heart. Don’t skip this post without leaving a million heart for her. Make her famous… pic.twitter.com/YYMIP1IALZ — Mohamad Safa (@mhdksafa) September 22, 2023 カメラマンやコーチなど、その場にいた大人の

    黒人の少女だけ「ガン無視」されたメダル授与式 「胸が張り裂ける」動画 | アイルランドの体操競技会で
  • 「国民食」誕生のプロセスを世界中で調べてわかったこと | ピッツァ・マルゲリータからボルシチまで

    の「国民」は何か。それを決めるのは誰か。そこには国民の舌や胃袋以外の要因が絡んでくる。世界の国民をめぐるを出版した著名な料理ライターに、世界の知られざる事象を紹介する米トラベルメディア「アトラス・オブスキュラ」が聞く。 1889年、イタリアはナポリの粋なピザ職人でラッファエーレ・エスポジトという名の男が自作のパイを3種、ウンベルト1世の美しいサボイのマルゲリータ王妃に献上した。 伝承によれば、彼はそのうちのひとつを統一されたばかりのイタリア国旗の3色で作り、そしてもちろん、「ピッツァ・マルゲリータ」と名づけたという。 ナポリにある記念プレートは、ここで王妃がその事をされたと誇らしげに言明している。このよく知られた話には、ひとつだけ問題がある。何ひとつ真実ではないのだ。 料理ライターのアーニャ・フォン・ブレムゼンは新刊『国民──歴史と故郷の意味を世界中で探して』(未邦訳)

    「国民食」誕生のプロセスを世界中で調べてわかったこと | ピッツァ・マルゲリータからボルシチまで
  • フィル・ザッカーマン「世界全体で宗教の衰退が起きている」 | 近代化は宗教にとって都合が悪い

    2022年、ドイツでは50万人超という記録的な数の人がカトリック教会を離れた。フランスでも、国立統計経済研究所と国立人口学研究所の調査で初めて、国民の過半数が無宗教だという結果が出た。英国でも国民の過半数がキリスト教徒でないことがわかった。米国は聖書と結びついた国だが、それでも成人の3分の1が無宗教だ。チュニジアでも無宗教の人は、2013年の13%から増加し、2019年には30%になっている。 近代化と技術進歩の結果、宗教は衰退せざるをえない──。それが1970年代まで、社会学の世界の通説だった。ところがこの数十年は、宗教の復権を語る知識人が目立っていた。 プロテスタントの社会学者ピーター・L・バーガーは、「いまの世界は、これまでの世界と同じように強烈に宗教的だ」と主張した。イスラム世界を研究する学者のジル・ケペルも「宗教の逆襲」を語った。たしかにイスラム原理主義やキリスト教福音派の勢力の

    フィル・ザッカーマン「世界全体で宗教の衰退が起きている」 | 近代化は宗教にとって都合が悪い
  • 軍政下で揺れるミャンマーが「中国系ロマンス詐欺組織」の温床になっている | そこはまるで「ペテン師の国連」

    「走るんだ!」──このひと声で、マックスとジェーンの苦痛に満ちた半年は終わった。 ともにフィリピン国籍の2人はミャンマー東部カイン州(旧カレン州)の国境沿いの街ミャワディで、中国系の犯罪組織に囚われていたのだ。 自由の身となった2人はタイ側の国境の街メソトに渡り、ようやく身の安全を感じることができた。そこは、2人が半年前に人身取引の末に連れてこられた場所でもあった。 逃亡の支援者は2人に「とにかく逃げろ」と声をかけた。マックスとジェーンは言われるがまま荷物を手に走った。そのときのことを思い出すといまも震えが止まらないと、マックスは言う。 マックスは2022年12月、ジェーンは2023年1月にそれぞれタイ国内の高待遇の求人に応募した。だが、フィリピンからタイに到着すると500キロ近くも北西に離れたメソトに車で運ばれ、そこから国境間を流れるモエイ川経由でミャンマーに連れて行かれた。 彼女たちの

    軍政下で揺れるミャンマーが「中国系ロマンス詐欺組織」の温床になっている | そこはまるで「ペテン師の国連」
  • 日本人の大半が知らない「競輪」誕生までの混沌とした歴史 | 英国人記者がたどる『KEIRIN─車輪の上のサムライ・ワールド』

    はじめて日の土に触れた自転車タイヤは、1865年にアメリカから港町・横浜に到着したものだった。その詳細はあやふやだが、日の太平洋岸に船が停泊しているあいだ自転車に乗って異国の地でのんびりと愉しもうとした船員が持ち込んだ、というのがいちばん有力な説だという。 自転車の登場は、明治時代(1868-1912年)初期における西洋科学、工学、文化、娯楽の流入の一部だった。この時代に日の産業は急速な発展を遂げ、政治と社会構造も大きく変化した。 当時の一般市民はみな、「富国強兵」という国民精神に身を捧げることを求められた。中国の戦国時代にルーツを持つこのスローガンは、政府と民間企業を結束させるために明治時代の指導者によって採用されたものだった。その裏にある目的はただひとつ、野心的な経済・軍事的変革によって日を欧米のライバルたちと同じ水準まで引き上げる

    日本人の大半が知らない「競輪」誕生までの混沌とした歴史 | 英国人記者がたどる『KEIRIN─車輪の上のサムライ・ワールド』
  • 香港紙が絶賛 「コアラのマーチ」が世界で偏愛される意外な理由 | 「チョコの絶妙な比率、人間工学的に優れたサイズ感…」

    発売からまもなく40年を迎える「コアラのマーチ」は、日のみならず、欧米やアジアでも広く販売され、地元の人たちに愛されている。 パティシエからアーティストまで、同商品が多くの人を魅了する理由を香港紙が探った。 アジアで生まれ育ったなら、一度は「コアラのマーチ」をべたことがあるだろう。サクサクとした一口サイズのビスケットには、コアラのイラストが印字されており、そのひとつひとつにチョコレートがつまっている。 ビスケットの滑らかな曲線、チョコレートの絶妙な比率、そして親指と人差し指のあいだにすっぽり収まる、驚くほど人間工学的に優れたサイズ感。こうした要素が、コアラのマーチを「特別なお菓子」にしている。 海外にも広がる「まゆげコアラ」 コアラのマーチを開発したのは、日品大手ロッテグループだ。同社は1983年に、チョコレートを注入できる中空状態のビスケットを焼く技術を開発し、翌84年にコアラ

    香港紙が絶賛 「コアラのマーチ」が世界で偏愛される意外な理由 | 「チョコの絶妙な比率、人間工学的に優れたサイズ感…」
  • 日本の漫画がフランスの食文化を変える 「アニメ飯」の絶大な影響力 | ナルトの、ポニョの、悟空の、ラーメンが食べたい!

    フランスでの爆発的な漫画人気はいま、文化にも多大な影響を及ぼしている。「若い世代の想像力を拡大し、新たな生き方、そしてべ方の発見に寄与した」──仏誌「ロプス」はそう讃えながら、日のアニメ作品に登場する事の影響力を徹底分析する。 「ママ、ラーメン作れる?」 ある日曜日の午後、ソファで漫画を読んでいた12歳のリュバンは母親に尋ねた。 母は驚いた。彼女は料理が好きだったが、息子はマカロニグラタン以外のものはべようとしなかったからだ。中学生の息子がたたみかける。「ナルトがいつもべてるんだよ。すごく美味しそうなんだ!」 こうして母と息子は最高のラーメン屋を求めて、日料理店が集まるパリ2区、サン・タンヌ通りに出かけた。 リュバンのケースは珍しいことではない。漫画のフランスにおける空前の大成功は、日のグルメ人気も伴っている。 「当然のことです。は日文化をちょっと取り入れるのには最高の

    日本の漫画がフランスの食文化を変える 「アニメ飯」の絶大な影響力 | ナルトの、ポニョの、悟空の、ラーメンが食べたい!
  • 村上隆が仏紙に語る「僕が楽観主義なのは、記憶喪失のせいです」 | 「オタクだった少年時代」から「AIへの思い」まで

    長い髪にあご髭、ジョンレノン風の丸眼鏡……村上隆(61)は、永遠の美大生のような風貌をしている。この日の現代美術のスターは、パリ近郊の街ル・ブルジェのガゴシアン・ギャラリーで、長さ24メートル、高さ5メートルの大作を展示している。展示初日のレセプションでは、若い頃にオタクだった彼らしく、NFT(非代替性トークン)が無料で配られた。 「楽観的になることを妨げているのは過去ですから」 ──2006年、オークションハウスのクリスティーズは、あなたを世界で6番目に高額なアーティストと格付けしました。いまはどうなっているのでしょうか。 それは知りませんでした。で、いまは誰が一番高額なアーティストなんでしょう? 奈良美智さんかな……。2021年のトップがジェフ・クーンズで、次がデイヴィッド・ホックニーですか。それも知りませんでした。この手の格付けはあまり重要とは思えなくて、注目していないんです。 ─

    村上隆が仏紙に語る「僕が楽観主義なのは、記憶喪失のせいです」 | 「オタクだった少年時代」から「AIへの思い」まで
  • 「脇毛」問題─剃る男たちと好きなようにする女たち | 脱毛とはそもそもなんのためにするのか

    脇毛を剃る・剃らないは実用的な話でもあり、ジェンダー問題でもあるため、人は他人事にできないのかもしれない。英紙「ガーディアン」記者が体毛の歴史家に取材しつつ、欧米のトレンドを俯瞰する。 6月10日、トルコのイスタンブールで開催されたサッカー欧州チャンピオンズリーグ決勝戦で、英マンチェスター・シティのジョン・ストーンズが伊インテルのディフェンダーと激しく競り合い、ストーンズのユニフォームの脇が裂けた。 ピッチに倒れ込んだストーンズをテレビカメラが捉えると、その裂けたところから、剃ったばかりと思われる脇の下が露わになった。するとツイッター上で議論が巻き起こり、いまどきは男も脇毛を剃るのかと問う男性の声もあった。 その問いに対する答えはイエスでありノーだ。「男子スポーツ選手たちは、とくに水泳や自転車、陸上競技で、ずっと体毛を剃ってきました。摩擦を減らし、より速く動けるようにするためであり、あとは

    「脇毛」問題─剃る男たちと好きなようにする女たち | 脱毛とはそもそもなんのためにするのか
  • 「自慰」は古代ギリシャで“真の男”がすべきものではなかった! | マスターベーションの古代史

    自慰(マスターベーション)の位置づけに社会の性道徳が如実に反映されるのは、古代から変わっていないようだ。人間の肉欲に関心がある考古学記者が、古代ギリシャの自慰問題を掘り下げる。 自慰行為は、われわれ人類が握手することを見出すよりはるか昔からずっと存在してきた。それが信じられないなら、われわれに最も近縁な動物であるチンパンジーをご覧あれ。 だがここで論じたいのは、動物界で起こっていることではない。代わりに、人間のひとりセックスの刺激的な歴史を掘り下げてみよう。 聖なる自慰 自慰が創造の行為だった文明もいくつかある。たとえばシュメール人たちは、水の神エンキが射精して、チグリス川とユーフラテス川を創ったと信じていた。 古代エジプト人たちはややその上を行っていた。神のオーガズムをある種の「ビッグバン」と考えていた。というのも、アトゥム神のせわしない手が、宇宙の創造と、最初の二神である空気の神シュー

    「自慰」は古代ギリシャで“真の男”がすべきものではなかった! | マスターベーションの古代史
  • ロサンゼルス市警察の「堕胎班」による取り締まりで起きていたこと | 「ロー対ウェイド判決」が覆った米国は逆行するのか?

    「ロー対ウェイド判決」が覆った米国は逆行するのか? ロサンゼルス市警察の「堕胎班」による取り締まりで起きていたこと 1935年に行われたモーゼス・ヤコブソン博士の裁判。ヤコブソンによる違法な中絶手術を受けた女性は、術後に死亡したとされている Photo: Los Angeles Times/TNS

    ロサンゼルス市警察の「堕胎班」による取り締まりで起きていたこと | 「ロー対ウェイド判決」が覆った米国は逆行するのか?
  • 「セックスワーカー」の秘められた信仰と霊性を研究して明らかになったこと | キリスト教徒やイスラム教徒、北欧神話を信仰する人にもインタビュー

    ターニャ(仮名、以下同様)は、メソジスト派(キリスト教プロテスタントの一派)の信仰が自分にとってどれほど大事かを語ってくれていた。 私たちはビデオ通話で話しており、ターニャの背景にはリビングルームが映っていた。そこは彼女の職場でもある。現在50歳のターニャは、電話とウェブカメラを介したフルタイムのセックスワーカーだ。 ターニャにとって、セックスワークで生計を立てることは、自分の信仰とまったく矛盾しないという。 ターニャがその一例として挙げたのは、婦人服を着る楽しみについて話してくれたというある男性客のことだった。彼がターニャにその秘密を打ち明けてくれたのは、ふたりとも同じ宗教的アイデンティティを共有していたからだとターニャは言う。 「彼はどんどん話しはじめました。私はそれを聞いていました。毎週日曜日に教会に通っていて、教会の長老であるとも教えてくれて、それからその秘密を打ち明けてくれました

    「セックスワーカー」の秘められた信仰と霊性を研究して明らかになったこと | キリスト教徒やイスラム教徒、北欧神話を信仰する人にもインタビュー
  • プーチン専用「秘密の装甲列車」を撮影した“鉄オタ”の悲しい末路 | 鉄道を愛しすぎた男のいま

    ロシアのプーチン大統領が移動に使う極秘列車を追いかけ続けた鉄道オタクがいる。彼は純粋な鉄道愛からその珍しい列車を撮影して楽しんでいたが、写真をネットに投稿したときに悲劇は始まった──。 不気味な「幽霊列車」 筋金入りの「鉄道オタク」であるミハイル・コロトコフ(31)は、ロシアの鉄道を走る珍しい列車のとりこになった。それはまるで内気な珍獣をストーキングするかのような執着ぶりだった。 その列車とは、ウラジーミル・プーチン大統領が極秘で利用する特別装甲仕様の列車だ。流線形で赤とグレーの塗装が施され、複数の箱型機関車にけん引されることが多い。コロトコフはそれを何年もかけて追跡し、写真に収めた。 そして2018年、コロトコフはプーチンの極秘列車の写真を初めてネットに投稿した鉄道オタクになった。「普通の人間はこんな列車に乗らない」とコメントを付けている。 この特別列車を見つけて撮影することは、恐ろしく

    プーチン専用「秘密の装甲列車」を撮影した“鉄オタ”の悲しい末路 | 鉄道を愛しすぎた男のいま
  • #99「趣味とは、結果を出すものでなく理由もない。けれど、生き方は変わります」 | 岸見一郎 25歳からの哲学入門

    【今回のお悩み】 「趣味がほしくていろいろ試していますが、好きになれるものがありません」 誰から強制されることもない「趣味」は、好きになろうと意気込んだところで夢中になれるものでもありません。どうしたら、趣味が見つかるのでしょうか。 哲学者の岸見一郎先生に聞いてみました。 何か趣味を始めるのに特別な理由は必要ありません。しかし日常に変化をつけたいと思ったとき、仕事を変えることはできなくても、仕事以外の時間に夢中になれる趣味があれば生活は変わります。 どんなことでも趣味にすることはできますが、「趣味」というためにはいくつか条件があります。 まず、役に立つ、立たないという発想から抜け出すことです。趣味がなくても生きていけますし、趣味を見つけなければならないというものでもありません。 次に、何か結果を出さないといけないという発想から抜け出すことです。専門家といわれるくらい究めると面白くなるのはた

    #99「趣味とは、結果を出すものでなく理由もない。けれど、生き方は変わります」 | 岸見一郎 25歳からの哲学入門
  • この「自由な世界」で荒唐無稽な陰謀論が生まれる理由とは | 複雑な社会に対する不安の裏返し

    荒唐無稽に思われるさまざまな陰謀論がこの世に存在するが、そうしたものはなぜ発生するのだろうか? 英国の文芸批評家で思想家のテリー・イーグルトンいわく、それは「自由な社会の代償」なのだという。 私の自作の陰謀論を紹介しよう。ジャック・ルビーはなぜ、リー・ハーヴェイ・オズワルドを殺害したのか? 80歳以下の読者に向けて書き添えておくと、ジャック・ルビーは米ダラスにあるバーのオーナーで、オズワルドを射殺したチンピラだ。そしてオズワルドは当時、ジョン・F・ケネディ大統領暗殺の容疑者だった。 愛国心による憤りからルビーがオズワルドを射殺したのだと思った人は誰もいなかったし、今でもいない。完全に「オズワルドの口封じ」をしたい誰かがいて、ルビーはその道具として選ばれたのだ。 でも、その「誰か」って誰だ? ルビーはマフィアの下っ端だったという証拠がある。だからケネディを撃ったのはつまり、マフィアかもしれな

    この「自由な世界」で荒唐無稽な陰謀論が生まれる理由とは | 複雑な社会に対する不安の裏返し
  • 米国人の3人に1人「飛行機を安全に緊急着陸させる自信がある」 その自信満々はどこから? | 素人でもパイロットの代わりになれる?

    3月22日、米サウスウェスト航空のパイロットが飛行中に体調不良を訴えたが、同機にたまたま搭乗していた非番のパイロットの助けで事なきを得た。 コックピットにいたパイロット2人のうちの1人が操縦できない状態に陥ったのは、ラスベガスを離陸してまもなくのこと。そこで、機内にいた別の航空会社のパイロットがコックピットに入り、もう1人のパイロットを補佐して、急きょラスベガスに引き返した。 これは運よく非番のパイロットが居合わせたおかげで大事に至らなかったケースだが、そんな偶然はきわめて稀だ。 では、機内にそれらしき人がいない場合、素人でも緊急着陸させることができるのか? なんと米国人の約3分の1が「飛行機を緊急着陸させる自信がある」と考えているようだ。 調査会社ユーガブは1月に、米国で約2万人の成人を対象にアンケート調査を実施した。設問はこうだ。 「緊急時に旅客機を安全に着陸させる自信はどれくらいあり

    米国人の3人に1人「飛行機を安全に緊急着陸させる自信がある」 その自信満々はどこから? | 素人でもパイロットの代わりになれる?
    dambiyori
    dambiyori 2023/03/29
    やってTRYのフォーマットでその辺歩いてる人にMSFSで着陸させるところを眺めてみたい。
  • ミレニアル世代の「中年危機」はこれまでとどう違うのか? | お金も時間もないのが逆に幸いかも…

    「中年危機」とはどんな危機で、何歳くらいで直面するものなのか? ミレニアル世代が四十路に入りつつあるいま、米経済誌「ブルームバーグ・ビジネスウィーク」が、先の世代と比べながら、これからの中年危機について考察する。 2023年には360万人のアメリカ人が40歳を迎える。「ミレニアル世代」の第三陣がこの節目に到達するのだ。 だがこの集団は、40、50代でド派手なボートを買ったり、出世階段から飛び降りてバリ行きのフライトを予約したりした親たちのようには反逆しないだろう。 離婚することもなければ(そもそも結婚していない)、タトゥーを入れることもない(すでに入れている)。むしろこの世代は、中年危機をまた違った形で経験することになる。というか、それ以外の選択肢があるほどの余裕がないのだ。

    ミレニアル世代の「中年危機」はこれまでとどう違うのか? | お金も時間もないのが逆に幸いかも…