宿泊客7人が死亡し、3人が重傷を負った広島県福山市のホテル火災で、現場となったホテル「プリンス」の売却を女性経営者が検討していたことが15日、不動産関係者への取材で分かった。建物が老朽化していたことや苦しい経営状況だったことなどが背景にあったとみられる。 ホテルは昨年、福山市の防災査察で排煙設備などの改善を求められた際に「お金がかかるので難しい」と回答。経営状態の悪化が防災設備の不備につながっていた可能性が出てきた。 これまでの現場検証では、建物1階にある事務所の配電盤などが激しく燃えていることが判明。県警は15日も検証を続けるほか、経営者から事情を聴くなどして出火原因を調べる。 福山市内の不動産会社によると、女性経営者から約1カ月前に仲介業者を通じ、ホテルの土地、建物の売却の打診を受けた。購入は解体費用や立地などから採算が取れないとして見送った。