九州電力川内原発1号機が再稼働し、二〇一三年九月から続いてきた「原発ゼロ」は途切れた。しかし、九電と関西電力の営業エリア以外の地域では、既に三年以上、原発に依存しなくても人々の暮らしは成り立っている。これまで積み重ねてきた対策で、電力需給の不安も遠のいている。 東電福島第一原発事故の後、全国の原発は緊急対策のために相次いで停止。一二年五月に北海道電力泊原発(北海道)が定期検査入りすると、稼働原発はゼロになった。 しかし二カ月後、当時の野田政権の政治的判断で、関電大飯原発3、4号機が再稼働した。大飯の再稼働の際も、関電は「原発稼働がなければ、電力が足りない」と主張し、政権も受け入れた。関電は原発依存度が高かっただけに、この時点では供給力には確かに不安があったが、現在では最新型の液化天然ガス(LNG)発電所を増設するなどし、この夏も供給力の不安はほぼなくなっている。