『スポットライト 世紀のスクープ カトリック教会の大罪』(ボストン・グローブ紙〈スポットライト〉チーム:編、有澤真庭:訳/竹書房) いつの時代でも“権力”というものは存在する。弱い立場にいる者が、たとえ正しくあっても強い権力の下では泣き寝入りし無力となることは少なくない。一個人の前に立ちはだかる存在が大きな組織であればなおさらである。 『スポットライト 世紀のスクープ カトリック教会の大罪』(ボストン・グローブ紙〈スポットライト〉チーム:編、有澤真庭:訳/竹書房)はキリスト教最大の教派・カトリック教という巨大権力が聖職者たちによる性的虐待を組織ぐるみで隠していたという事実を明かしたルポタージュである。司祭により被害を受けた子供たちの数は数千人にも及んでいるという事実が世界中の多くの人々に衝撃を与えた。すでに公開された映画『スポットライト 世紀のスクープ』でこのニュースを知り驚愕した人もいる