■宮崎駿監督が語った高畑勲監督との出会い、思い出、その「凄さ」 「1963年、パクさん(高畑監督の愛称)が27歳。僕が22歳のとき、僕らは初めて出会いました。初めて言葉を交わした日のことは、いまでもよく覚えています。黄昏時のバス停で僕は練馬行きのバスを待っていた。雨上がりの水溜りの残る通りを一人の青年が近づいてきた。…(略)…55年前のことなのに、なんてはっきり覚えているのだろう。あの時のパクさんの顔を、今もありありと思い出す」 宮崎監督は高畑監督との出会いのシーンをこう振り返りました。目の前にそのシーンの映像が浮かぶような描写を聞き、やはり高畑監督は宮崎監督にとって特別な存在だったんだな、と感じました。続いて、東映動画に入社し、労働組合での活動で共に過ごした時間のことを振り返り、「あらゆることを語り明かした」とした上で、次のように語りました。 「……僕らは仕事に満足していなかった。もっと