『奇跡の本屋をつくりたい くすみ書房のオヤジが残したもの』(久住邦晴/ミシマ社)は、かつて札幌にあったくすみ書店の店主による奮闘記だ。 2000年代初頭。くすみ書房は閉店の危機にあった。店内はいつもガラガラ。欠品により棚はガタガタ。頑張れば頑張るほど増えていく赤字。もう閉店するしかない。そう腹を括るところから本書はスタートする。 そんなくすみ書房を救ったのが、ある1冊の本だった。「これからは非常識といわれていたことにこそ成功のヒントがある」、そう書かれたビジネス書のアドバイスに従い、著者は次々とユニークな催しを企画しはじめる。 新潮文庫で売れていない700点と、良書が多いにもかかわらずなぜか売れないちくま文庫800点をずらりと並べた「なぜだ!? 売れない文庫フェア」。中学生に読んで欲しい本500冊を集めた「本屋のオヤジのおせっかい 中学生はこれを読め!」。毎日午後5時から店内で朗読会を開