『日本の暗黒事件』(森 功/新潮社) 連合赤軍、かい人21面相、オウム真理教、少年A…。戦後の日本で起こった重大事件には、巨大な「悪」が存在した。あるものは組織としての黒さを露呈し、あるものは個人に隠された残虐さを世間に見せつけた。そして、一般人の想像が及ばない「悪」たちは、いまだ全貌がつかめていないという点でも共通している。彼らの犯した事件は解決・未解決にかかわらず、闇に葬られた部分が少なくないのだ。 『日本の暗黒事件』(森 功/新潮社)は戦後日本を揺るがした重大事件について、いくつかの事件で取材にあたった経験もある著者が再考していく一冊だ。そして、事件同士が意外なつながりを見せていくとき、読者は知られざる日本の裏側に触れるだろう。 本書で取り扱っている事件は、「よど号」事件、ロッキード事件、グリコ・森永事件、山一抗争、三井物産マニラ支店長誘拐事件、イトマン事件、住友銀行名古屋支店長射殺