巷には、今日も味わい深いセンテンスがあふれている。そんな中から、大人として着目したい「大人センテンス」をピックアップ。あの手この手で大人の教訓を読み取ってみよう。 第64回 誰よりも多く負けたからこその重み 「人生も、将棋も、勝負はつねに負けた地点からはじまる。」by加藤一二三・九段 【センテンスの生い立ち】 63年にわたる棋士生活を終え、6月30日に引退記者会見を開いた棋士の加藤一二三・九段(77)。最近は「ひふみん」の愛称でも親しまれ、テレビなどにも引っ張りだこである。直後の7月2日、社会現象と言ってもいいほどの熱い注目を集めた中学生棋士・藤井聡太四段の連勝記録が29でストップ。その夜、加藤九段はツイッターで、将棋界の後輩に対して「棋士人生はまだまだこれから!」で始まる含蓄たっぷりであたたかいエールを贈った。 3つの大人ポイント ・負けを前向きにとらえ、先を見据えて激励している ・今の