ピアノの調律師の道を歩む主人公の苦悩とともに、この世界の美しさと豊かさを描き出すことに成功した、宮下奈都の長編小説『羊と鋼の森』がついに文庫化される。2016年本屋大賞第1位に輝くなど、単行本刊行直後から祝福が相次ぎ累計80万部を突破。初版6500部からの、シンデレラストーリーだ。 宮下奈都 みやした・なつ●1967年福井県生まれ。2004年、『静かな雨』が文學界新人賞に佳作入選し作家デビュー。2015年に刊行した本作で、2016年本屋大賞第1位、「キノベス!2016」第1位、「ブランチブックアワード2015」大賞の三冠に輝きブレイク。その他の著作に『スコーレNo.4』『よろこびの歌』『誰かが足りない』『田舎の紳士服店のモデルの妻』などがある。 執筆のきっかけは、実家のピアノを3歳の頃からずっと調律してくれていた、調律師の言葉に触れたことだそう。「このピアノの中にはいい羊がいますね」。ピア