『建築士・音無薫子の設計ノート 謎(ワケ)あり物件、リノベーションします。』(逢上央士/宝島社) 「今回のご依頼は『リフォーム』でしょうか、それとも『リノベーション』でしょうか」。 建築学を学ぶ学生、今西中(いまにしあたる)はインターン先の設計事務所で、とある女性建築士と出会う。彼女の名前は音無薫子(おとなしかおるこ)。薫子さんは依頼主に、そう問うのだ。 『建築士・音無薫子の設計ノート 謎(ワケ)あり物件、リノベーションします。』(逢上央士/宝島社)は、「住まい」の裏に隠された人間模様を解き明かす、新感覚建築ミステリーだ。 主人公の今西は、建築士という仕事に疑問を抱き始めて、学科の講義にも足が遠のいていた。「どうして建築士になりたいと思ったのだろう?」。夢を目指した時の気持ちが薄れ、疑問ばかり。悩んでいた。 ある日、教授の推薦で渋々「音無建築事務所」にインターンに赴く。そこで出会ったのが、