さいはて・たひ●1986年生まれ。2008年『グッドモーニング』で中原中也賞を受賞。15年『死んでしまう系のぼくらに』で現代詩花椿賞を受賞。詩集として『空が分裂する』『夜空はいつでも最高密度の青色だ』、小説として『星か獣になる季節』『渦森今日子は宇宙に期待しない。』『少女ABCDEFGHIJKLMN』など。 爆裂する少女のナラティヴ 「このタイトルのエッセイを書いたことを長らく忘れていたのですが、小説を書いていくうちに、このタイトルしかありえないと思い、使うことにしました。エッセイと小説の中身はまったく異なりますが、芯の部分は通じあっています。 十代の少女を多く描く理由は、いちばん詩に近い存在だと思うからです。少女というのは、子供ほど無自覚ではないけれど、大人ほどには整理ができていない年代ではないでしょうか。パンで言うと、まだ焼いていないこね終りぐらいの、このパンはおいしいよとは言えない状