『セックスで生きていく女たち』(酒井あゆみ/三交社) 「貧困女子」という言葉が話題になったが、生活費を稼ぐためというのは古くから売春の理由でもあり、近代社会において彼女たちは社会福祉による保護の対象となるべきだろう。だが、お金を稼ぐためだけではなく、セックスをしたいからやる女性も一定数存在するという。『セックスで生きていく女たち』(酒井あゆみ/三交社)を覗いてみると、人と人との間に「通じ合えないモノ」が横たわっているように思えた。 著者は自身も風俗嬢だったノンフィクション作家で、女性がお金を払って男性を買うという女性の性欲をレポートした『レンタル彼氏』などをこれまで世に送り出してきた。近年は体調不良により執筆活動が途絶えていたが、再び性風俗やLGBTなどの取材活動を始めるようになり、5年の沈黙を破って復活した第一弾作品である本書においても、著者は売春の実態を丹念な取材によって読者に突きつけ
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