シリアで生まれ、アメリカ人の父と日本人の母のもとに養子として引き取られた、ワイルド曽田アイは、幼いころから常に自分が「愛されること」について葛藤の中にいた――。西加奈子さんが「どうしても描きたかった」と強い思いを持って書いた小説『i』。 かねてから「プロレスに勇気をもらっている」と語ってきた西さんがリスペクトする、新日本プロレスの棚橋弘至選手にインタビュー。『i』について、そして“愛”について、たっぷりと語ってもらった。 ■アイと同じように「何で俺なんだろう?」という気持ちを抱えていた ――棚橋選手からは、すでに一度『i』にコメントを寄せていただいています。棚橋選手の決め台詞「愛してま~す!」にかけた“「i」してま~す!”というコメントが秀逸でした。 棚橋:最初にいくつかコメントを送った後に思いついて、「これは行ける!」と。うまいことを言いたい気質なので、思いついた時は嬉しかったです(笑)