トップニュースシリア難民、AKB、LGBT、暴力団…一見バラバラな「断片」を繋ぎ合わせて見える「ニッポン社会」とは? 『人間の居場所』(集英社) 「居場所づくり」という言葉をメディアからではなく直接人から聞いたのは約2年半前だ。その方は小学生の子を持つ母親であり同時に会社員でもあったが、2ヶ月後には長年勤めた会社を辞めて、商店街などに子どもの居場所づくりをする活動を始める予定なのだと言った。対象は不登校だとか特に事情があるような子どもではなく、ごく一般の子ども。私は日常的に小学生に接する機会がないので、小学生の居場所を意図的に作らなければならないような事態というのが理解できず驚いたのだが、小学生に限らずどうも最近、社会の中の居場所が変化しているようだ、それも悪い方向へ。 『人間の居場所』(集英社)の著者・田原牧氏はノンフィクション作家であり、本書は様々な人々を取材した内容となっている。そこ