『鉄道写真が語る昭和』(山と渓谷社) 最近の新幹線車内では、加熱式駅弁やシューマイ弁当、肉まんも食ってはいけないという……マジですか。飯テロ禁止令、いやスメハラ防止なんだそうですが。 いやあ、国鉄時代なんて、新幹線も東海道線も、車内灰皿に吸い殻突き刺して、窓際に固定された栓抜きでビールをプシュッ。でもって、駅弁をかきこみながら、食後は冷凍ミカンってデフォでしたよね、鉄道旅行の。赤いネットに入った冷凍ミカンを、東海道線内で四個一気食いして親に怒られたなあ、昔。しかし最近は、冷凍ミカンを除くそれら全てが「車内マナー違反行為」と見做されるって……もう昭和の人間は心が萎え萎えです。缶ビールのプルタブを開ける時も、遠慮がちにやらなアカンのでしょうか。 そんな後ろ向きな昭和人の心の慰めにうってつけなのが『鉄道写真が語る昭和』(山と渓谷社)。『旅と鉄道』、通称タビテツで愛される鉄道雑誌の編集部が膨大なア