『錦田警部はどろぼうがお好き』(かんばまゆこ/小学館) 世界を騒がす怪盗を、どうしても捕まえられない警部。ただ、それだけの話なのに、気を抜いていると笑うし、萌えるし、ときめいてしまう不思議な作品だ。 「次にくるマンガ大賞2018」の3位に入賞した『錦田警部はどろぼうがお好き』(かんばまゆこ/小学館)。かつては「死んだ目の錦田」と呼ばれ、事件に対してやる気も興味ももたないながら、圧倒的な好成績を積み上げていた錦田警部。しかし、彼はある日、とある泥棒に出会うことで、まるで人が変わってしまったかのようになる。 その泥棒が、世界を騒がす怪盗ジャックだ。怪盗ジャックは、必ず事件の前に予告状を警部のもとに送る。そして、万全の警戒状態をしかれた中で、お目当てのものを必ず盗んでいく。 どこかで聞いたことのあるような設定である。というか、天才的な泥棒と、それを追いかける警部、という構造は、もはやテンプレート
