『社畜と少女の1800日』(板場広志/芳文社) 1人暮らしをしていると、自分のペースを乱す人はいない。仕事や学校、自分の予定に合わせて、自由に行動できる。そんな生活に慣れると、人との生活も、人としての正しい生活の仕方も忘れてしまう。忙しければ尚のことだ。『社畜と少女の1800日』(板場広志/芳文社)の主人公・東根将彦も、1人暮らしかつ社畜な生活で、家には帰って寝るだけ。ひどい時は、何日も会社に泊まり込むような生活を送っていた。洗濯物は散らかしっぱなしだし、引っ越してきた時の荷物もそのままだ。 ある夜、そんな東根のもとに、突然見知らぬ少女がやってきた。東根は何事かと驚くが、どうやら彼女・君島優里は、高校の時のクラスメイト・君島里美の娘らしい。優里によると、母親が出て行ってしまい、家も引き払われて行くところがないという。そして唯一残されたものが、この家の住所が書かれた書き置きだったのだ。こうし