突然だが「誰もが幸せになる方法が発見された」と聞いたら、あなたはどう思うだろう。真偽はさておき、とりあえずどんなものか興味を持つのでは? 2500年前に書かれ、読み継がれてきた「老子道徳経」(略して「老子」)。究極の幸福論と呼ばれ、ここで語られる「道(タオ)」は人間の心を真に満たす教えとして現在でも洋の東西を問わず研究され続けている。たった5000字余りの小品ではあるが、この中に人生最大の秘密が描かれているというのだから驚くほかない。 しかし原文は漢文であり、読み下したとてちんぷんかんぷん。これを分かりやすい現代語でよみがえらせたのが本書『ラブ、安堵、ピース』(黒澤一樹/アウルズ・エージェンシー))だ。著者はベストセラー『あの世に聞いた、この世の仕組み』(雲黒齋名義/サンマーク出版)でご存じの方も多い、うつ症状の一種、記憶障害を患ったのがきっかけで哲学的インスピレーションを得るようになった