消毒作用があるとされる酢を水に溶かした液を散布する中島武夫さんの長男、徹さん=宮崎県延岡市で5月29日、和田大典撮影 宮崎県の口蹄疫(こうていえき)問題で、感染発生地から半径20キロ範囲を超え、出荷に問題のない地域の県内畜産農家にも県外の取引先から「宮崎県産牛は売れない」と出荷を断られるケースが出ている。感染した牛の肉が市場に出ることはなく、同県延岡市の農家は「県産牛全体がイメージダウンしている」と嘆く。JA宮崎中央会も「販売される肉の品質に問題はない」と風評被害の広がりを警戒している。 県北部の延岡市内で肉牛300頭を肥育する中島武夫さん(84)は「東国原(英夫)知事ブームのお陰で宮崎県産の人気が定着してきたのに……」と、ため息をついた。 4月20日に中島さんの牧場から南へ約30キロ離れた同県都農(つの)町で感染1例目が確認されて以降、毎日、牛に酢を散布したり、敷地内に消石灰をまくなど消