「消費増税で深刻な経済被害が発生する」 「消費増税で失われた時代が続く」 5月21日、衆議院会館である会合が開かれ、20人ほどのエコノミストが集った。彼らから次々と発せられたのは「消費増税すべきでない」数々の理由だ。 この会合の呼びかけ人は日本銀行副総裁としてアベノミクスを支えた岩田規久男氏と、昨年まで安倍首相のブレーンとして内閣官房参与を務めていた京都大学教授の藤井聡氏である。呼びかけに応じて「増税反対」の声明を出したエコノミストは40人。冒頭の言葉はそこで寄せられた意見の一部だ。そこで出されたエコノミストたちの意見に耳を傾けると、消費増税が日本経済にもたらす危険性について考えさせられるものがある。 安倍政権の看板政策「アベノミクス」。その最大の目的は「デフレからの脱却」であった。日本銀行は2%の物価安定目標というインフレターゲットを設定し、「異次元の金融緩和」を実践してきたが、6年経っ