(2013年6月10日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 日本経済を復活させるための安倍晋三首相の賭けは、今週、これまでで最大の試練に直面する。10兆3000億円規模の財政刺激策を発表し、金融革命をやり遂げた後、安倍内閣は経済のサプライサイドを改革する計画を承認する。この改革は政治的には無理難題だ。構造改革は必ず大きな力を持つインサイダーに影響を与えるからだ。 しかし、「アベノミクス」を成功させるためには、改革に代わる道はない。マネタリーベースを倍増させる日銀の賭けは、いずれ国債利回りの上昇をもたらす。持続的な経済成長なしでは、日本の政府債務の山は手に負えなくなる可能性がある。 改革なくして金融革命は成功しない 日本の成長問題は構造的だ。労働市場は歪んでおり、女性と若者に不利になっている。企業は現金を過剰に溜め込んでおり、多くの場合、海外に眠らせている。制限の多い移民政策は、人口動態の見通