(英エコノミスト誌 2010年8月28日号) 東欧諸国の外貨建て債務は、まだ導火線がゆっくり燃えている状態にある。 消防士は火を消した後、ホースを巻き取って引き揚げる前に、燃え残りがないかよく確認するものだ。現在、ほとんどの先進国では最悪の銀行危機が後退しているため、金融の消防士を帰還させたくなるのも無理はない。だが、東欧から漂ってくる煙は、欧州の銀行システムを安定化させるという仕事がまだ終わっていないことを示している。 東欧で事業を展開している多くの銀行は8月初め、時として驚くほどの貸し倒れの増加を報告した。その中には、ウニクレディト、エルステ・グループ、OTPなどがある。貸し倒れは減少し始めると期待されていたが、逆に増加し続けた。憂慮すべきペースで増えているケースもある。 急増する不良債権、外貨建てローンが重荷に カザフスタンでは、債務残高の3分の1以上が不良債権になっている。ラトビア