安倍晋三首相は近々、消費増税が景気にもたらす影響を再検証する「場」を設けるよう指示する見通しだ。この場には、増税慎重派の浜田宏一内閣府参与らが参加する案が有力であり、これを受け、市場関係者の間で消費増税の方向性に一時的に波紋が広がった。消費税は2014年4月に8%に、15年10月に10%に増税されることになっている。これに対して、「(1)消費税率を予定通り2段階で引き上げる、(2)最初に2%上げ、その後1%ずつ引き上げる、(3)5年間で毎年1%ずつ引き上げる、(4)増税を当面見送る――の4案の影響を検証する作業に着手」(日経新聞・電子版2013年7月27日)する模様である。 だが、日本の財政に増税を見送る余裕などはない。1997年に消費増税を行ってから今回の増税法案の成立まで、約15年も経過している。もし今回の増税を先送りする場合、次の政治的な合意に至るまで何年が必要となるのか。また、前回