次のような問題である。「立方体を2個つなげた形をしたブロックの、ある頂点に蟻がいる。蟻はブロックの表面を歩いて移動することしかできない(図1)。ブロックの表面で、蟻がたどりつくのに最も遠い地点はどこか?」 直感的に、反対側の頂点だと思うかもしれない。それは正しいだろうか? もし、ブロックが1×1×2ではなく、1×1×1であれば、あきらかに反対側の頂点が最も遠い。わかりやすくするためには展開図を使えばよい。仮に1×1×1だった場合の展開図を考えると図2のようになる。 左下が、蟻が最初にいる点である。展開したために、立体のひとつの頂点が複数の点に対応している(同じ記号を付してある)。1×1×1の時に、最も遠い場所が反対側の頂点であることは、左下から対応する点までを半径とした円の中に、他の点が全て入ることから確認できる。1×1×2の時はどうだろうか。最も遠い点を定規とコンパスによる作図で指し示す