日本列島では古くからありとあらゆる歌と舞が存在し、さまざまな伝統楽器が鮮やかな彩りを加えてきた。ただし、それらは伝統を継承するだけでなく、時代に合わせてさまざまな形で更新され、ときにはいくつかのスタイルが融合されて新たな姿で蘇ることもあった。 ヨーロッパと日本を股にかけて活動し、リカルド・ヴィラロボスやリッチー・ホーティンらからも支持されてきた電子音楽家、AKIKO KIYAMA。彼女はYOSHIROTTEN(グラフィックアーティスト)との極めてユニークなコラボレーション作品である新作『JABARA』において、三味線や尺八といった和楽器の新たな可能性を引き出そうとしている。昨今、世間では「和楽器×○○○」の安易なフュージョンが乱発されているが、それぞれの楽器の響きや特性に着目した『JABARA』の試みには、電子音楽/ダンスミュージックの世界で活躍してきたKIYAMAならではの視点も反映され