◇米主導の国際新秩序---ロシア追い込まれ 「パンドラの箱を開けたのは誰か。我々ではない」 ロシアのプーチン首相(前大統領)は、先月末の米CNNとの会見でこう叫んだ。グルジアへの軍事介入、それに続く南オセチアとアブハジアの独立承認は、ロシアがソ連崩壊後初めて見せた国際社会での実力行使だった。だが、それは窮地に追い込まれたゆえの「反撃」だったという主張だ。 ロシアを駆り立てた要因は三つある。一つは、グルジア軍の南オセチア攻撃という直接のきっかけ。二つ目は、グルジアの北大西洋条約機構(NATO)加盟の可能性。三つ目は、冷戦後に築かれた米国主導の国際秩序全般への挑戦である。 NATOのユーゴ空爆(99年)と3次にわたる東方拡大(99、04、08年)、イラク戦争(03年)、米ミサイル防衛システムの東欧配備計画(07年)、コソボ独立承認(08年)。冷戦後、国際社会を牛耳るようになった米国が、ロシアの