1,三国志を書くということ。 2,文章を写す。 3,宮城谷三国志の特徴 4,人間の失敗はその人間の性格にあり 5,宮城谷昌光の歴史に対するまなざし、「公平」さ。 1,三国志を書くということ。 宮城谷昌光「三国志 第十二巻」読了! これだけ濃密な三国志は読んだことがない。知らない人は驚くかな。実は司馬遼太郎は三国志を書いていない。「項羽と劉邦」は書いている。実はこれがベストセラーらしい。もっとも、司馬遼太郎は日本史をたくさん書いているイメージなのだろうか。私は司馬遼太郎が三国志を書いていないと知って驚いた。 それにくらべて宮城谷昌光は中国史のイメージを皆さんお持ちだろう。すごいです。一応漢文は外国語なのである。そこから、まるでその場を見ているように場面を立ち上げる文章力は驚嘆する。ため息が出るのである。 本書あとがきによると、三国志を初めて意識したのは、神田の古本屋らしい。小説家志望だった宮