訪日外国人の増加を追い風に好調だった京都のホテル業界に異変が起きている。宿泊客数は順調に増加する一方、宿泊施設の相次ぐ開業で客室稼働率の低下が続く。新設ホテルの「値下げキャンペーン」を受けて価格競争が激化しているとの指摘もある。収益悪化などへの懸念から、保有するホテルを売却する動きも出始めた。 京都市内では2014年に外国人宿泊客数が183万人と前年比約1・6倍に急増。これに前後し、恒常的な「客室不足」からホテルの宿泊料が上昇した。投資会社なども参入し、ここ数年は新規開業が相次いでいる。 宿泊需要は依然高い水準を維持している。市の京都観光総合調査によると、観光客数は15年をピークに微減に転じる一方、宿泊客数は増加し、18年は1582万人に達した。 ところが、宿泊事業者からは「稼働率が下がっており、料金も下げざるを得ない」と悲鳴が上がる。旅館や簡易宿所を合わせた市内許可施設の客室数は3年間で