プログラムの高速化が強く求められている分野の1つに、画像処理や音声処理、動画処理といったマルチメディア処理が挙げられる。これらのプログラムは処理すべきデータ量も多く、また行う処理も非常に複雑である。そのため、PCの処理速度が向上した現在でも「時間がかかる処理」の代表であり、このような処理にこそ並列化による処理速度の高速化が期待されている。本記事ではフリーの音声エンコーダ「FAAC」をインテルの並列プログラミング支援ツール「Parallel Studio」を使って並列化し、その処理速度を高速化する試みを紹介する。 並列処理による高速化が期待されるマルチメディア処理 現在広く使われている音声符号化方式の1つに「AAC」がある。AACはMPEGによって規格化された音声圧縮方式で、高音質・高圧縮で音声・音楽を圧縮する目的で開発されている。AACは地上デジタル放送の音声圧縮方式として採用されているほ
Intel Core 2シリーズの登場以来、一般的なPCにおいてもマルチコアCPUが普及しつつある。それとともに注目を浴びつつあるのが、プログラムの並列化/マルチスレッド化だ。そんな中、インテルから、並列プログラミングを強力にサポートする開発ツール「インテル Parallel Studio」(以下、Parallel Studio)が登場した。 Parallel Studioは自動並列化/最適化機能を備えた「インテル コンパイラー」やデバッガを含む「インテル Parallel Composer」と、プログラムのパフォーマンスを測定するマルチスレッド対応プロファイラ「インテル Parallel Amplifier」、メモリエラーやマルチスレッドプログラムにおけるスレッド間のデータ競合などを検出する「インテル Parallel Inspector」で構成される、新たな開発ツールである。また、今後
インテルのCoreシリーズCPUが登場して以来、マルチコアCPUは爆発的に普及している。現在では比較的低価格なCPUでも複数のコアを搭載するようになり、現在販売されているPCのほとんどはマルチコアに対応しているといっても過言ではない。しかし、まだマルチコアCPUの性能を生かす、並列処理を行っているアプリケーションは多くない。 並列処理は、一般には実装が難しい、という印象があるようだ。確かにスレッドを駆使して処理を並列化する場合、スレッドの管理やスレッド毎の連携など、考慮しなければならないことが増え面倒ではある。しかし、プログラムを並列化するための言語規格「OpenMP」や、C++用の並列化ライブラリ「Threading Building Blocks」といった並列化支援技術を利用することで、プログラムの並列化へのハードルは大幅に低くなる。また、インテルの開発製品「Parallel Stud
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