トランジスタといえば、まず「増幅」を思い浮かべると思います。確かにトランジスタは電流増幅も電圧増幅もやってくれます。しかし基本は電流増幅であり、Ic(コレクタ電流)=hFE×Ib(ベース電流)の関係が成り立つので、Ibを調整することによってIcを制御することができます。hFE(直流電流増幅率)はおおむね100程度と考えてください。 この関係式に沿い、Ib=1mAとするとIc=100mAであり、Ib=3mAとするとIc=300mAとなります。当然ですね。入力電流IbをhFE倍したものが出力電流Icとなる、つまりこれがトランジスタによる電流増幅の意味です。ここで1点、非常に重要な、トランジスタであるが故の性質があります。それはIcが「定電流」だということです。 Icが定電流であればこそ、負荷抵抗Rをコレクタに挿入し、Rによる電圧降下を出力電圧として取出すことができるのです。これを具体的に示して