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ブックマーク / blog.a-utada.com (11)

  • グーグル・マイマップの謎が解けた: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    グーグルのマイマップは、個人情報をなぜ公開してしまうことになったのか。 サービスを発展させていくうえで、 「いかにもありそうなこと」が起きていたのではないか。 ●「マイマップ」でありながら共有が目的という不思議 グーグルの「マイマップ」について、このあいだから気になっていた「謎」が解けたように思う。グーグルが陥った落とし穴は、ネットの発展を考えてみたとき興味深いものに思われるので、今回はその話を書くことにしよう。 欄で以前「グーグルの傲慢」と題して書いたように、グーグルのマイマップでは、最初の設定が「一般公開」になっている。「限定公開」に変えずにデータを入力してそのまま「保存」をクリックすると、誰でも見ることができてしまう。それどころか、タイトルを入れて数十秒ほっておくと、「保存」のボタンが自動的に押され、一般公開されてしまう。こうした設定のために、教師が生徒の家の情報を公開してしまうな

  • グーグルの黒船がやってきて、日本語の壁が壊れ始めた: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    語のが言葉の壁に守られ、グローバリズムの嵐とは無縁だった時代は過ぎ去ろうとしている。 グーグルという黒船がやってきて大砲をぶっ放した‥‥ ●突然出されたグーグルの「公告」 2月24日に、グーグルが新聞に公告を出した。かなり大きなスペースだったが、文字ばかりで、気がつかなかった人もいるだろう。冒頭に「法廷通知」とあって次のように書かれている。 「米国外にお住まいの方へ:和解は米国外で出版された書籍の米国著作権の権利も包含しているため、貴殿にも影響することがあります。書籍または書籍中のその他の資料等の権利を有している場合には、適時に除外を行なわないかぎり、和解に拘束されることになります。」 日の新聞に載せておいて「米国外にお住まいの方へ」というのはいかにも空々(そらぞら)しいが、米国外で同じ文章を一律翻訳して出したのだろう。日がグローバルな世界に呑みこまれようとしていることを

  • 検索データベースに組みこまれた我々の個人情報のゆくえ : 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    ウェブでなぜプライバシーが脅かされやすいかといえば、 それはウェブがデータベースであるからだ。 ウェブは、生活の場にもなってきたが、 その質は変わりようがない。 ●みんながみんなのことを書けばプライバシーはない ウェブは、SNSやブログで情報をやりとりして泣いたり笑ったり友だちを作ったりと生活の場そのものになってきた。だから、冷たいデータ ベースという感じはしない。しかし、その質がデータベースであることに変わりはない。情報を作り発信するというのは、ウェブというデータベースのデータ を作っていることにほかならない。 こうしたウェブのありようは、当然ながら、プライバシーの問題にも大きな影響をおよぼす。 前々回、 「obama」と検索すると、アメリカ大統領候補のオバマについて、略歴から雇った人間の名前、あるいはオバマについて誰がこう言ったということまで情報 を集めて一覧表示してくれる検索を紹

  • そうしてすべてはデータベースの項目(データ)になった: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    検索エンジンは、われわれが作成したコンテンツに 誘導してくれる装置だと思ってきたが、 実態はむしろ逆で、われわれは検索エンジンのために働いているのではないか。 ●われわれが作成しているのは検索データ? この欄の原稿を書くために、何日もかかって情報を集めてみたけれどおもしろい話が見あたらない、ということがかつてはときどきあった。最近は、 ネットの情報も充実してきてそんなことはなくなり、むしろ書くことがいっぱいあって困ることも出てきた。それは喜ぶべきことなのだが、別のことで、「あれ あれ」と思い始めた。 大なり小なり苦労して書いた原稿をネットで公開すると、雑誌に掲載されていたときとは違った読まれ方をされる。雑誌では誌 面に定着されて、どういう枠組みで書かれているのかがページをめくる過程でわかり、そういうことを踏まえて読まれるわけだけど、ネットでの読まれ方はさま ざまだ。定期的にアクセスして読ん

    denken
    denken 2008/10/14
    検索エンジンを利用し検索エンジンに利用されるというのは協働モデルに他ならないと思う。
  • 「個人の情報発信はマスメディアとは違う」のか?: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    ネットが広がると同時に始まったともいえるタイトルのような問いに、 法的な指針がひとつ出された。 「誰もが情報発信者」の時代ならではの興味深い判決だ。 ●「困りもののマスコミ」 「マスコミには困ったものだ」というのは、ネットではことのほか盛り上がるテーマだ。 私もこの欄でそういう調子で書いたことは何度かあるが、このところできるだけそんなふうには書かないようにしている。 雑誌で原稿を書いている私が「マスコミの人間」ということになるのかどうかはよくわからない。ひとりで原稿を書いているので、自分ではそういう意識はない。 新聞などのオーソドックスなメディア組織の人々には、「あいつはマスコミの人間ではない」と思われ、一方ネットでは、「あいつはマスコミの人間だ」とコウモリのような存在になっているのかもしれない。しかし、そもそも雑誌というのは、客観性を重視する大手マスコミと個人の情報発信のあいだのような存

  • ネット企業の名誉毀損対策――ミクシィと「はてな」: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    ネット企業は、情報を削除すれば発信者に訴えられ、 削除しなくても、名誉毀損などで被害者に訴えられる。 板挟みの状態だが、どう対応しているのだろうか。 ●板挟みのネット企業 新聞は、一般に表現の自由の問題には敏感に反応するが、ゴシップやスキャンダルを書きたてる週刊誌や夕刊紙の名誉毀損訴訟には冷たいことも多い。 ゴシップやスキャンダルは、読むほうはもともと話半分ぐらいのつもりで読んでいる。そうした記事が裁判で事実ではないということになっても、週刊誌や夕刊紙の致命的なダメージにはなりにくい。 その一方、信頼度が高いと思われているメディアほど、裁判で負ければ、賠償額以上のデメリットになる。だから日刊紙などは、名誉毀損訴訟を頻発させるメディアに冷たい。 いずれにしても、あやふやなことを書かなければいいだけではないかと思うかもしれないが、前回書いたように、名誉毀損になるかどうかは、裁判官の感性ひとつに

  • 米ヤフーの消えた「21世紀型メディア」の夢――米ヤフー衰退の理由(2): 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    歌田明弘の『地球村の事件簿』 週刊アスキー連載「仮想報道」などの原稿のアーカイヴやリンクが中心です(詳しくは「プロフィール」参照)。編集部との話し合いで、週刊アスキーの原稿は発売後、次の金曜日以降に公開することになっています。つまり、実際に書いたのは公開日の2週間ほど前です。 IT企業の栄枯盛衰が激しいのは日でも同じだが、ウェブの発展とともにあった米ヤフーの歴史をたどり直してみると、そうしたことがほんとうによくわかる。 マイクロソフトの買収提案が通ったとしても、アクセスを集めているヤフーのポータルサイトが消えてしまうことは考えにくい。しかし、会社としての米ヤフーの存続は怪しくなってきたいま、ヤフーの発展と失敗の経緯を振り返ってみるのは意味がある。ウェブがどう発展し、いまどういう地点に行き着き、これからどうなろうとしているかが見えてくる格好のケーススタディだからだ。 ヤフーは、94年にスタ

  • ミクシィの秘密――あるいは、ミニブログはなぜ人気があるのか: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    SNSやブログの人気を支えているものは何なのか。 自分を隠したくもあり、見てもらいたくもあり‥‥。 そこには、現代人の複雑な心が見てとれる? ●見られているほうが安心できる? 書評を頼まれた精神科医の斎藤環氏の『メディアは存在しない』というには、「ミクシィの秘密」を解き明かすおもしろい議論が収録されていた。このそのものは難解だけれど、末尾の座談会はわかりやすい。出席者は、斎藤氏、社会学者の大澤真幸氏、それに誌でも連載していた批評家の東浩紀氏だ。 あちこちの国でリアリティ・ドラマと呼ばれるテレビ番組が流行っている。あらかじめ筋書きのあるドラマではなくて、たとえば呼び集められた参加者を孤島に送ってサバイバル・ゲームをやらせ、その様子を放映するといった番組だ。日でもいくつも作られている。タレントの卵などにわずかのお金をもたして見知らぬ土地に放り出したりした『電波少年』などがそうだ。 フラ

  • 日本のネットはなぜかくも匿名志向が強いのか: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    誰が読むのかわからないブログや掲示板などでは、 匿名が当たり前になった。とはいえ、日の常識が 世界の常識かといえば、かならずしもそうではない。 ●アメリカのブログは実名が多数派、日は匿名が9割 5月26日に発表されたインターネットコムと goo リサーチの調査によれば、ブログ作成経験者のうち実名を公開している人は6.62%に過ぎず、それ以外はみな匿名だったという。 この調査はgooで募集した人たちが対象だから、実名でブログを書いていることが多い芸能人やライター、専門家などはほとんど含まれていないだろう。実際よりは匿名の割合が高いと思われるが、日のブログの大半が匿名なのは確かだ。 これが世界的にも標準かというと、そうではない。MITのメディアラボで博士論文を書いたファナンダ・ヴィエガスの04年の調査では、英語でブロ グを書いている人の55パーセントが実名、それ以外の人も20パーセントは

    denken
    denken 2006/06/24
    芸能人じたい、本名で活動している人はあんまり多くないのではないか。
  • われわれはみな「隠れオウム」の容疑者: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    有力ブロガーがオウム真理教の信者だとわかった。 その人物への4時間にわたるインタヴューが、 ネットに掲載されて、話題を呼んでいる。 ●暴かれたオウム信者のブログ 松永英明氏は、オウム真理教内で編集の仕事にかかわり、オウムの出版社の社長を務めたりしながら、その事実を秘して精力的にブログを書き、有力なブロガーの一人と見られていた。一般の出版社からも何冊もを出している。 そのうちの一冊は私も読んでいた。きちんとしたで、有能なライターのように感じられた。 それだけに、フリージャーナリストの野田敬生氏の追及で、オウム真理教の信者だったとわかったときにはびっくりした。 暴かれたその素性は、ネットのディープな情報に通じている人々にはさらに驚くべきものだった。 松永氏は、96年から2000年まで「河上イチロー」という名前で、公安や内外の政府の諜報活動について異様に詳しいサイトを作っていた伝説的な人物だ

    denken
    denken 2006/06/07
    オウムを根拠にたたくのは都合のいいものが見つかったからであって、本当は彼の度の過ぎた煽りにムカツいていたひとがここぞとばかりにやってるんだと思った。
  • はてなダイアリーがテロを撲滅する?: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    何がテロを生み、防ぐにはどのような方法があるのかを考えていくと、 意外な人気サイトの機能がとてもおもしろいものに思えてきた ●テロリストを生まない方法 懸念されていたイギリスで、同時テロが起こった。アルカイダ系の組織の犯行のようだが、実行犯は往復切符を買って談笑しながら電車に乗っており、自白しないようにだまされて自爆させられたのではないかという推測もされている。ともかくいまやアルカイダというのは、特定の組織の名前というだけではないようだ。自分でアルカイダだと言えばアルカイダなのだという説もあるし、もともとアルカイダとして認定されていなくても、テロをやってその「業績」が認められれば、資金があとから提供されてアルカイダになるのだという話もある。ようするに、いつ誰がアルカイダのテロリストになるのかわからない、ということなのだろう。 ではどうやって人はテロリストになるのか。 もちろん決まったルート

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