2016.03.05 男女不平等の日本社会が「子どもと女性の貧困」を生んでいる 『女性と子どもの貧困』著者・樋田敦子氏インタビュー 日本社会の影で確実に進む、貧困問題。2014年の厚生労働省の調査では、児童のいる世帯の67.4%が「生活が苦しい」と感じている、と報告されました。こうした状況に警鐘を鳴らすべく刊行されたのが『女性と子どもの貧困』(大和書房)です。DV、離婚、借金、病気、情報不足、そして人のつながりの薄さ……。「普通」の生活を送っていたはずの人が貧困に陥ってしまうメカニズムと、それに対抗する解決策とは。当事者の生の声を聴き続けてきた樋田さんに伺いました。 ―― 樋田さんが貧困問題に興味を持たれ、本を執筆しようと思われたきっかけを教えてください。 樋田 2002年に、多重債務を抱えたある家族を取材したことがきっかけです。両親と子ども2人の世帯で、父親は身体が弱く稼ぎのない方だった