私は以前、全日空の客室乗務員だった。ちょうど全日空が国際線に就航して2年目を迎えた年で、勢いある会社の国際線に乗務できることは本当にうれしかった。だが、そんな喜びは一瞬にして消えた。初フライトで「こんなはずじゃなかった」と、とても後悔したのだ。 新人のCA(キャビンアテンダント)の仕事は、ほとんどが肉体労働だったのだ。お客さんが乗り込むまでにスリッパやヘッドフォンを300席もある客席すべてにセットする(現在ではスリッパは廃止され、CAの仕事ではなくなりました)。トイレットペーパーや化粧水をきれいにセットし、新聞を折る、雑誌を飾る、レモンを花形にセットする…。 食事のサービスでは、ひたすら配りまくり、サービス終了後には、お客様が1人トイレに入るたびに掃除する。映画上映中は、ピンセット片手に客席の灰皿の吸殻を一つひとつ取り出し(これも今では、全席禁煙になったのでなくなりました)、機内のゴミを拾